2008年08月12日(火) |
こら、マンガと現実を一緒にするな! |
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オレは「課長島耕作」を全巻持っている。雑誌に連載しているものもずっと読み続けている。あのマンガの熱烈なるファンの一人である。しかし、あのマンガはやはりフィクションなんだと思ってしまう。現実の日本にはなかなかそんなスーパー経営者はいないし、仕事もHもあんなふうにバリバリこなすというのはなかなか困難で、仕事だけにがんばるか、Hだけにがんばるというのが普通なんだと思うのである。両立させられるのはよほどのスーパーマンだろう。そういう意味であの主人公は「こんなすばらしいヤツがいたら」「こんなすごい男になりたい」というサラリーマンの願望の表れなのである。
いくら欧米で日本のマンガがブームになってるからといって、それを現実と混同して「理想の社長は島耕作」と言われても困るのである。そんな素っ頓狂なことを英国の雑誌が紹介したのである。読売新聞のWEBサイトの記事を引用しよう。
日本の経営者は「島耕作」見習え…英誌が大胆・賢明さ絶賛
【ロンドン=是枝智】「日本の経営者は『社長 島耕作』を見習うべきだ」――。英誌エコノミストは8月9日号で、講談社の人気漫画・島耕作シリーズの主人公で、今年5月に、初芝五洋ホールディングスの社長に上り詰めた島耕作を、「日本の理想の企業トップ」として紹介した。
エコノミスト誌は、日本にはトヨタ自動車やキヤノン、任天堂などの世界的なトップ企業がいくつもあるのに、多くの日本の企業トップは調和を乱すようなことはほとんど口にせず、リーダーシップに欠けていると批判した。
そして、「島氏は大胆かつ賢明で、古くさい無知な人間を押しのけることを恐れない。社内政治を軽蔑(けいべつ)し、年功序列ではなく、実力主義で人を登用してきた」と絶賛。「日本の経営者や政治家は彼から学ぶべき余地がある」と指摘した。(2008年8月11日10時30分 読売新聞)
オレは今の日本の企業のトップがだめだとは思っていない。あの経団連の会長のように人件費コストを極端に切りつめて利益を増やし、「偽装請負のどこが悪い!」と開き直れるような大胆かつ悪辣な経営者もいるじゃないか。少なくとも日本企業が多くの売り上げを上げて世界の大企業と渡り合ってるということは経営者がいろんな工夫をしてがんばってるからだと思うのである。
それよりもオレが面白いと思うのは、欧米で日本のマンガが実によく読まれているという事実なのだ。多くの作品が翻訳されて流通しており、海外にはその熱烈なファンも多いという。政府はその事実をもっと理解して、日本文化をもっと世界に広めるような戦略をどんどん導入すべきではないのか。 広く海外に日本の様々な文化が行き渡ったとき、「こんなに面白い国は世界の繁栄に欠かせない存在だ」と多くの国の人間が感じるようになることこそが、真の安全保障につながるのではないのか。もしも日本が滅亡してしまえば、今連載中のマンガの続きが読めなくなるから日本を攻撃してはならないと、世界中の人々が思うようになったとき、真の安全保障が実現するとオレは思うのである。マンガは日本を救うのだ。日本の政治家もそれをもっと意識して、国際的な場でコスプレで登場するとかして各国首脳を笑わせてやればどうだ。
しかし、ここまでメジャーになった日本のマンガ、きっと世界の各国で勝手にその中味を翻案したり盗作したりという作品が数多く生まれてるような気がするのである。それも有名税みたいなもので、また一つの宿命なのか。それとも断じて海賊版は阻止しないといけないのか。どうせまねしたりパクったりしてもろくなものは作れないとオレは思うのだが。そうとも言い切れないのがこの世界の面白いところである。「聖マッスル」→「バイオレンスジャック」→「北斗の拳」という流れを考えた時、必ずしもその作品が時代に合ってるとは言えないことがあるからだ。先行作品をうまく取り込んで昇華させたものは「パクリ」とは呼べずに一つの独立作品と言えるだろうし、日本のマンガの精神を受け継いで、世界でそうした作品が登場することは、マンガ文化をさらに発展させてくれるのかも知れない。
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