2008年07月18日(金) |
砂丘に書いたラブレター |
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砂に書いた文字は消える。雪に書いた文字は溶ける。紙に書いた約束は破られるというフレーズを知人のブログで読んだ。砂と言えば鳥取砂丘、その砂丘に文字を書く恋人たちも多い。馬の背と呼ばれる砂丘の斜面に、巨大な文字を書く行為は果たしてどの程度の悪なのだろうか?
京都大学サイクリング部の古いアルバムの中に部員が鳥取砂丘に出かけた写真があった。その中の一枚は馬の背のところの砂の上に巨大なSEXという文字を書いてあったのである。一辺が5mくらいあるような巨大な文字である。砂に書いた文字はどうせ消える。だからということで観光客はそこに巨大な落書きをするのである。この落書きは法隆寺の壁やイタリアの世界遺産の建物に書かれるものとは本質的に違う。雨風ですぐに崩れてなくなるものだからだ。その落書きに目くじらをたてて、罰金まで取ろうとしている動きがある。オレはその無粋なやり方に断固反対だ。
落書きの中にはただ「マ○コ」などの文字を記した情けないものもあるが、芸術的なセンスを感じさせるモノや絵心の豊かなものなどもある。また恋人同士がそこに巨大な相合い傘を書いてその前で記念写真を撮ってる場合もある。それは鳥取砂丘にとって一つの風物詩のような気がするのである。中海干拓のように恒久的に自然を破壊する行為を率先して国や地元がやっておきながら、砂に書いた文字を取り締まるなんてあまりにもばかげているとオレは思うのである。
なんでも砂の上に文字を書いて、それが50m離れた場所からでも確認できる場合は30〜50万円のとかの罰金が科せられるようになるとか。それはあんまりだ。観光客のせっかくの楽しみを奪わないでくれとオレは思うのである。
砂の上に誰かがいたずらで書いた立体的な女性のヌードが、知らずに記念写真を撮る人たちのスナップ写真の片隅に写ってるなんて面白いじゃないか。それもまた鳥取砂丘の風景の一つであるとオレは思うのである。
砂丘の砂の上に文字を刻む行為が、国立公園内の自然を著しく破壊する行為であるとはオレにはとうてい思えないのだ。確かに書かれている文字によっては不愉快な気分になる人もいるだろうし、特定の商品名やそのロゴマークを砂の上に巨大な文字で描くというのは宣伝の方法として不適切だと思う。しかし、個人のいたずらを果たしてそうやって罰することに何の意味があるのか。砂に書いた文字はすぐに消える。その証拠に28年前に馬の背の斜面に確かに存在した「SEX」の文字はいまは跡形もない。
もっともオレが仮に鳥取砂丘へ旅行したとして、砂の上に巨大な「江草乗」という文字を残そうとは思わない。そんなことをしたら馬鹿と思われるだけだ。知らずに記念写真を撮ってる方がいれば、その写真の中に江草乗という文字がくっきりと残ることになってしまう。結果的に誰かの記録した写真の中に多くの落書きは保存されて命脈を保つのである。砂丘に書いたラブレターは、誰かのアルバムの中にそのまま保存されてしまうのである。
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