江草 乗の言いたい放題
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2008年07月16日(水) 荒廃マンションが増えています        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 朝日新聞の「わが家のミカタ」という読み物に「増える荒廃マンション」という記事を見つけた。管理組合がしっかりと機能しているところはまだいいのだが、古いマンションの中には管理組合がゼニを持ち逃げしてしまったり、存在しなかったり、管理会社が倒産したりということで管理が破綻して荒廃している分譲マンションが増えているのだという。分譲マンションにはエレベーターや廊下という共用部分がある。また修理のための積立金も必要である。

 所有者が居住者と一致しないものも多い。自分の所有するマンションを賃貸して、自分は別の場所に住んでいるという場合である。そうした不在家主の中には、部屋が空き家になってしまうと管理費を滞納する者もいるわけで、そうして滞納された管理費が100万、200万という金額になる場合もあるわけである。それを請求するだけでも大変な労力である。結局まともな住民はどんどん出ていてしまい、後には引っ越す余裕のない人が残されるのである。そうして荒廃はどんどん進むのだという。エレベーターが故障しても修理できなかったり、外壁がひび割れて雨漏りしたり、廊下にゴミが散乱していたりと。

 しかし、それはマンションを分譲という形で販売したときに想定された事態ではなかったのか。いつかその管理が破綻したときに、どういう形で収拾をつければいいのか。住民が自分たちの自治に無関心であるという事態にどう立ち向かうのか。

 これは別にマンションに限ったことではない。オレの住む町内にも空き家が実は増えてきている。一戸建ての家に誰も住んでないという空き家が最近増えてきたのだ。誰も買い手がつかないのか、そのまま放置されているのである。もしもこういうところに暴力団員や不逞の輩が出入りしてそのまま居着いてしまったらどうするのか。オレはそんなことを心配してしまうのである。

 分譲マンションという巨大な長屋が機能するためには、その住民同士が密接につながりを持つ必要があった。ところが隣人意識はどんどん希薄になるばかりの現代にこのような集合住宅を存在させたことが大きな過ちだったのかも知れないのである。集合住宅をすべて賃貸住宅にして、大家さんや管理会社が存在してちゃんと管理する形態にしていれば、今のような分譲マンションのスラム化はかなり防げただろう。しかし、分譲という形で巨額のゼニをそこから回収することが、つまり住宅ローンという巨大な負債を多くの市民に背負わせることが国策であったためにこの悲劇が生まれたのかも知れない。

 管理費や修繕積立金の不足で浄化槽の清掃ができないとか、老朽化しても建て直しができないとか、空き家だらけで住民がほとんどいないとか、共用部分が汚れっぱなしとか、そうした状況になった責任はいったい誰にあるのだろうか。個々の住人にあるのだろうか。無責任な一部の居住者にあるのだろうか。オレはその責任は国にあると考えている。集合住宅はその性質上、よほどのことがない限り分譲という形態は取るべきではなかったのだ。勤労者である市民に安価で良質な賃貸住宅を提供し、通勤に便利な都市近郊や駅周辺に居住できるようにするためにこそ集合住宅は建設されるべきであったわけで、賃貸にしておけば家賃を滞納すればすぐに追い出せたのである。分譲という形でその所有権を買わせながら、管理費や修繕積立金という経費を家賃のように毎月支払わせるというのはどうか。分譲を認めずにすべて賃貸形式のみにしていたならば、現在分譲マンション故に発生している多くの問題は解消していたはずである。

 マンションが老朽化して建て替えを望むとき、すべての住民が賛成するだろうか?答は否である。必ず経費の負担に耐えられないとか、今のままでいいとかいう住民が居るはずだ。多数決で決定するならば必ず住民の中に不満が残るのである。考えたら分譲マンションの権利なんて空中に土地を買ってるようなものだ。そんな空中の権利がいつまでも保持できるなんて幻想なのかも知れない。30年や40年経てば日本のマンションの多くは耐用年限を迎えてしまうとか。そのときにもう一度ゼニを出して空中に住居を存在させないといけない仕組みになってるのである。なんと無駄なことだろうか。どうして最初から100年以上の耐久性を与えなかったのだろうか。もっともそんないいものを作ればかなり高くなってしまうかも知れないが。

 そのマンションの売れ行きも落ちているそうである。こんな記事があった。

6月首都圏マンション発売戸数は‐30.0%=不動産経済研7月15日15時47分配信 ロイター
 [東京 15日 ロイター] 民間の不動産経済研究所が15日に発表したマンション市場動向によると、6月の首都圏マンション発売戸数は4004戸で、前年比30.0%減となった。減少は10カ月連続。同月の首都圏のマンション契約率は64.7%で、好不調の分かれ目とされる70%を2カ月ぶりに下回った。
 同時に発表された1─6月期の発売戸数は前年比23.8%減の2万1547戸にとどまった。
 こうした数字を受けて同研究所では、今年の供給見通しをこれまでの5万4000戸から4万000戸に引き下げた。
 <今年の供給戸数は1993年以来の低水準に>
 同研究所では今回の数字を受けて「マンションブームは終わっていた」「(年間供給見通しが)5万戸を切るほど厳しいとは思わなかった」などとコメントした。 
 6月の供給戸数が当初予想よりも低かったにも関わらず、契約率が低水準にとどまったため、マンション販売在庫数は前月比278戸増の1万0760戸となった。昨年6月に施行された改正建築法も供給抑制に影響したという。
 同研究所では、高値時に取得した用地に建築コスト上昇が加わり、マンション価格が上昇、顧客が高値についてくることができずに在庫が増加、結果としてデベロッパーが新規供給を抑えたと分析している。
 今年上半期の数字を踏まえて同研究所では、下半期の供給を前年比16.3%減の2万7400戸と予想した。下期は上期からやや戻すものの、年間見通しの4万9000戸は、バブル景気が終わって日本経済が低迷した1993年の4万4270戸以来の低水準となるという。 
 <価格は22カ月ぶりの低下、今後さらに低下も>
 6月の1戸あたりの価格は4638万円となり、前年比で4.4%下落、1平方メートルあたり価格も1.6%下落した。4月の1戸あたり価格は14.9%上昇、5月は0.4%上昇だった。下落となるのは22カ月ぶりだが、価格の水準自体は依然高く、価格の値崩れはまだ見られないという。
 しかし同研究所では、デベロッパーも決算を控えて、積み上がった在庫を処理しなくてはならないため「今後、どこかの時点で、価格が下振れすることは間違いない」と分析している。(ロイター日本語ニュース 児玉 成夫記者)


 だぶついた在庫を処理するためにこれから価格破壊が始まる。それでも売れない物件はどうなるのか。最初から廃墟となる運命なのだろうか。


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