2008年07月03日(木) |
ヤマダ電機はなぜ儲かるのか? |
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家電量販店最大手のヤマダ電機が納入業者に従業員の派遣を強いていることは誰でも知ってる事実である。どのような契約になってるのかオレはよく理解していなかったのだが、かなりえげつないことをヤマダ電機はやってきたらしい。新装開店や店舗改装セールの時にヤマダ電機は、家電メーカーの販売子会社から従業員を派遣させて商品の搬入や陳列、そして接客に当たらせている。なんと公正取引委員会が立ち入り検査に入った昨年5月以前は、ヤマダ電機は日当を支払わなかった。つまり「ただ働きの販売員」という扱いだったのである。こうして人件費をコストカットできるからヤマダ電機はもうかるのである。なんと見事な戦略だろうか。(さすがにただ働きはよくないと思ったのか、立ち入り検査以降は一日5000円の日当を払うようになったそうだが。)
ただ、このような状況はヤマダ電機に限らず家電量販店では当たり前らしい。おそらくヨドバシもコジマもソフマップも販売員を派遣させてやっていたのだろう。もちろんそれらがただ働きさせていたのかちゃんと日当を払っていたのかはわからない。商品を売ってもらうためには家電メーカーもこの傲慢な相手の言い分を飲むしかなかったのだろう。なんともひどい話である。
オレは思うのだが、販売する側とメーカーとは持ちつ持たれつの関係である。魅力的な商品をメーカーが出してくれるからこそ、みんな新しいヤツにじゃんじゃん買い替えてくれるのである。いい機能を一気に搭載して出さずに少しずつ小出しにするからこそ、ユーザーはだまされて小刻みに買い替えるのである。つまり、販売店は本来メーカー側に感謝すべきなのであり、それを「おまえのところの商品を売ってやるから人を出せ!」と要求し、ついでに他のメーカーの品物まで売らせているのである。オレはそういう卑怯な会社は嫌いである。メーカー側がネットで直販したくなる気持ちもよくわかる。
儲けるためにはどうすればいいのか。商品を売るだけが儲ける方法ではない。払うべきゼニを払わずに済ませるという方法でも儲けることができる。業界ナンバー1になるためにはそうした仕組みが不可欠だったのだろう。
オレの家の近くにもヤマダ電機がある。そしておそらくはメーカー側から派遣された販売員がプリンタの前に立っている。オレの嫌いなCANON製品を売ろうとしてがんばってる人もいる。オレは意地悪なのでわざとエプソンの商品の方に興味があるふりをする。するとますます必死でCANON製品を売ろうとアピールしてくるのである。その涙ぐましい努力を見ると、どんなに嫌いなCANON製品であり、あのいまわしい経団連の便所野郎の会社であることがわかっていても、ふと情に流されそうになってしまうのである。しかもこうして「ただ働き」させられているという事実を知れば、ますますオレは同情してしまうのである。もっとも同情するだけで、実際にCANON製品を買うわけではないが。
6月30日に公正取引委員会は独禁法違反(優越的地位の乱用)で派遣強要の中止と再発防止を求める排除措置命令を出した。家電量販店に対して「優越的地位の乱用」という理由でこうした命令が出されるのははじめてのことである。業界全体の慣習なのかも知れないが、どう考えても正しい姿ではないとオレは思う。さらにオレが危惧するのが、店員の中に特定メーカーの製品を売るために公平な立場で客観的に商品を判断できない「えこひいき販売員」が存在してしまうことは、少なくとも客の立場から見れば不利益が発生することにつながる。そういう意味でオレは今回の公正取引委員会の動きを評価したい。最大手のヤマダ電機がそうした「ただ働き制度」を撤廃すれば、他も追随せざるを得ないだろう。大手に踏みつぶされそうな弱小店もこれで少しは浮かび上がれるだろうか。
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