2008年06月29日(日) |
いますぐ諫早湾の潮受け堤防を撤去せよ! |
携帯用URL
| |
|
ブログランキングの投票いつもありがとうございます。クリックすれば今のランキングが何位かを確認できます。
莫大な予算をただ浪費するために行われる巨大公共工事の中でも環境破壊の程度の悲惨さにおいて際だっているのが諫早湾の干拓事業である。イナカモンドリームの実現のために豊かな干潟の自然は破壊され、有明海の水質悪化は一気に加速した。干潟やマングローブ林といった汽水域が自然界の中で果たす役割の大きさを思えば、そして日本中の海岸線がコンクリートで固められて瀕死の状態になってしまったことを思えば、断固としてこの諫早湾の馬鹿事業は阻止しないといけなかったのだ。自分たちの利権のためにこの馬鹿な工事を推し進めた連中を環境破壊罪(?)で刑務所にぶち込むことこそが必要だったとオレは思っている。それが実現できていれば、イナカモンドリームという夢を追う馬鹿どもも絶滅させられたはずである。
さて、上級審でどうせひっくり返るに決まってるのだが、佐賀地裁は諫早湾干拓事業に対して環境悪化との因果関係を認めるという画期的な判決を出している。もっともオレはこんな判決はただのイカサマだと思っているが。とりあえず地裁レベルでは地元の漁民を喜ばせておいて、後で裏切るに決まっているからだ。その証拠に排水門の常時開放の仮処分は却下されている。「とりあえず判決は出したけど、こんな決定に何の効力もないですよ」というアリバイ造りにしか過ぎない糞判決である。読売新聞のWEBサイトから引用しよう。
諫早湾干拓、環境悪化との因果関係認める…佐賀地裁判決
国営諫早湾干拓事業(長崎県)で有明海の環境が変化し漁業被害が発生するなどしたとして、福岡、佐賀、長崎、熊本の沿岸4県の漁業者ら約2500人が国を相手取り、潮受け堤防撤去や堤防の排水門の常時開放などを求めた訴訟の判決が27日、佐賀地裁であった。
神山隆一裁判長は干拓事業と一部海域での環境悪化や漁業被害との因果関係を認め、「国は中・長期の開門調査を実施すべきだ」として、国に対し、判決確定後、代替の防災工事などに要する3年間の猶予後に南北2か所の排水門を少なくとも5年間開放するよう命じた。
堤防撤去や漁業者への慰謝料の支払いについては認めなかった。排水門の常時開放の仮処分は却下した。農水省は控訴する方向で検討している。
提訴は2002年11月。原告側は、1997年に潮受け堤防により諫早湾の3分の1が閉め切られた後、諫早湾内や有明海全域で高級二枚貝のタイラギやアサリが取れなくなり、有明海全体で00年度にノリが凶作になるなど漁業被害が生じたと主張。
国側は、堤防閉め切りで漁業環境は悪化しておらず、漁獲量の変化は見られないと反論していた。
判決では、堤防閉め切りで泥の質が悪化したと認定。魚介類の生息が困難になるほど水中の酸素濃度が低下する「貧酸素水塊」が頻発する事態を招いたとした。
また、干拓工事で海底の泥が拡散し、毒性の強い赤潮の増加につながった可能性を指摘。これらの影響で、諫早湾内や近隣海域でアサリ養殖や漁船漁業に被害が出たと認定した。
因果関係の立証に関しては、原告側について「相当程度のがい然性の立証がされている」とし、「これ以上求めるのは酷」とした。
一方、国に対しては「中・長期の開門調査をして干拓と環境変化の因果関係がないことを反証する義務があるのに、協力しないことは立証妨害と言っても過言ではなく、訴訟上の信義則に反する」と批判した。(2008年6月27日15時11分 読売新聞)
そもそも干拓までして農地を増やす必要があったのか。だったらなんで減反政策なんか継続してるんだ。おかしいじゃないか。農地が余ってるから減反させるわけで、それをこんなものを作ればますます農地が余るじゃないか。それともこの土地を工業団地とかに切り売りするのか。
潮受け堤防の完成以後、ノリの凶作が続いたり高級貝がとれなくなったりとあきらかに漁業被害は拡大した。しかし、その因果関係の立証は困難だ。たとえばオレは髪が薄くなった原因を長いこと使っていたサンスタートニックシャンプーのせいだと思っているが、残念ながらその因果関係を立証するのは甚だしく困難である。それと同じように漁民が干拓と漁業被害の因果関係を立証するのは困難だ。だからといって「因果関係などない」と言い切ってもいいのか。被害を受けた側が立証できないからと「被害なんか出ていない!」などと言い張れる農林水産通省の側の開き直りというか無責任ぶりにはあきれてしまう。おまえらのやってる開き直りというのは、女性をレイプして妊娠させた暴漢が「レイプと妊娠には直接の因果関係はない。レイプされたから100%妊娠するわけではない」「あんたは妊娠なんかしていない。もしも妊娠してるなら他の男とセックスしたからだろう!」というレベルなんだ。恥ずかしくないのかとオレは言いたくなるのである。
海の生態系は多くの生物が相互に関係して構築されたデリケートなものである。ほんのわずかなことからそのバランスは崩壊する可能性があるのだ。生態系の一部をなす干潟の生き物を大量に干上がらせて虐殺した行為が、周囲に何の影響も与えないわけがないだろう。それでも「立証」が必要なのか。オレにはどうしてもわからないのである。
今さら水門を開いたとしても、もう大きく破壊され尽くした諫早湾の海は二度と戻ってこないことはわかっている。それでもオレが期待するのは、水門開放後もこの潮受け堤防という馬鹿建設物を「こんな馬鹿なことは二度と起きないようにしましょう」という記念碑として残してくれることである。「この馬鹿事業のために数千億円の税金が投入されました。このような愚行が二度と起きないように我々国民は政治家や官僚の悪事を監視しましょう」という文字をしっかりと刻んで欲しいのである。
←1位を目指しています! m(_ _)m