江草 乗の言いたい放題
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2008年02月14日(木) 病腎移植はなぜ否定されるのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 オレはいつも疑問に思っている。法と正義が両立しないとき、オレはどちらを支持すればいいのか。正義を否定するような法は間違ってるとオレは思う。しかし、その法によって人は裁かれる。そして、法を犯したということで人は罰を受ける。

 人工妊娠中絶で殺される多くの胎児の命を救うため、菊田昇医師は生まれた子供を実子として子どもの欲しい夫婦に斡旋した。もらった夫婦が実子として届け出できるように彼は偽の出生証明書を書いたということで、医師法違反として医業停止処分を受け、産婦人科学会からも除名された。菊田医師の行為は正しい手続きを踏んでいなかったということで罰を受けたのだが、彼によって命を救われた多くの胎児がいた。法を守ってその胎児を殺すことが正義なのか。それとも胎児を助けるために法を守らないことが正義なのか。

 人工透析を受けている患者は日本に今26万人存在すると言われる。透析にかかる医療費は年間600万円、患者は月に1万円の自己負担をするだけでよく、透析に掛かる医療費は全額保険で負担されている。透析患者のうち年間に2万人が死亡し、新たに透析を必要とする患者が年間に3万人発生する。26万×600万円=1兆5600億円という医療費が人工透析のために支出されているのである。透析のために使われる医療機器は高価であり、それを納入するメーカーや製薬会社がその巨額の医療費に群がっている。腎臓移植をするということは、この貴重な年間600万円の売り上げを失うということなのだ。だから本音を言えば移植なんか増やしたくないのが医療に携わる側の実情かも知れないのである。これは実は巨大な利権なのである。報道の中でこの問題についてほとんど触れていないのがオレは不思議で仕方がないのだ。きっと規制されてるんだろう。

 ところが患者側にしてみれば人工透析で週に3、4日も4時間近く拘束されるのは負担が大きく大変である。腎臓移植すればこの透析の負担から解放されるために、多くの透析患者が腎移植を望んでいるのだが年間に提供される死体腎は150程度しかなく、26万人の透析患者に対して圧倒的に不足している。その一方年間に1万近い病気腎が摘出されて捨てられているのだ。その捨てられる病気腎の中で使えるものを選び出し、必要とする患者に移植することがなぜ悪なのか。

 腎臓移植を待つ平均の待機年数は16年、その間に70%の方が亡くなっている。生存率は透析の場合10年で40%、移植をした場合は80%であるという。透析よりも移植の方がはるかに患者にとって適切な治療であることはもはや明らかだろう。

 以下、万波医師への処分に対する読売新聞の報道を引用する。

万波氏 保険医取り消し 厚労省方針 病気腎移植2病院も処分
 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(67)らによる病気腎移植問題で、厚生労働省は、病気腎移植などに絡んで不正な保険請求を行ったとして、万波医師の保険医登録のほか、同病院と万波医師の前任地の同市立宇和島病院の保険医療機関指定をいずれも取り消す方針を固めた。徳洲会病院については今月下旬、宇和島病院は3月にも聴聞会を開き、処分方針を通告する。両病院はともに地域の中核病院で、影響を軽減するため、厚労省は原則5年の保険医療機関の取り消し処分期間をそれぞれ1か月程度に短縮し、処分時期をずらす方針。
 万波医師は両病院で1993〜06年に計36件の病気腎移植を執刀したが、厚労省は監査の結果、病気腎移植は省令で原則禁止されている特殊療法にあたり、「保険適用対象外」と判断。両病院ではほかにも複数の不適正な保険請求が判明している。
 厚労省は聴聞会で、万波医師や病院幹部から移植の経緯や意見を聞き最終処分案をまとめ、愛媛地方社会保険医療協議会への諮問、答申を経て処分決定する。
 両病院のベッド数を合わせると計859床で、宇和島市と周辺3町の病床数の3割以上を占める。処分期間中は医療費が原則、患者負担の「自由診療」になるため、影響を懸念する声が上がっている。
 厚労省は徳洲会病院の処分を先行して4月にも実施、宇和島病院は、外来患者の減る大型連休のある5月を処分期間とし、影響を最小限にとどめたい考えだ。
 宇和島市の石橋寛久市長は「地域事情を考慮して、取り消しを回避するか、期間を短縮してもらえるよう、国に訴え続けたい」、徳洲会病院の松田勝次事務次長は「国から正式な連絡を受けていないので、コメントできない」としている。(2008年02月12日 読売新聞)


 能力のない人間ほど天才を嫉妬する。天才移植医である万波医師を嫉妬する無能な下手くそどもは、姑息な方法でその名声を汚そうとする。単なる面子の問題だけで大切な患者の生命など全く無視されているのだ。昨年の5月、万波医師の行った病気腎移植がサンフランシスコで行われる米移植学会で発表される運びとなった。これはアメリカで最大の移植関連の学会である。万波医師の論文はここで一度採択されることが決まったのだが、日本移植外科学会理事長の田中紘一氏が 米移植外科学会会長のDr.Matas 先生にこの発表を止めさせるように手紙を送ったために、せっかくの発表はキャンセルになったのである。オレはあきれて言葉を失うのだ。男の嫉妬というのはかくも見苦しいモノなのだろうか。田中紘一氏もまた有能な移植医である。だったらなぜ患者の立場に立って考えることができないのか。政治的な立場でしか行動できないことをオレは残念に思うのである。

 ただ、世界の趨勢ははっきりとこのレストア腎(病気腎)移植を認める方向になりつつある。1人でも多くの患者を救うという観点に立てばそれは当たり前のことである。

 オレは田中紘一氏がDr.Matas 先生に送りつけたという手紙の画像を拝見した。その中にはこのようなくだりがあったので引用しよう。


The request matter as the president of the Japan Society for
Transplantation about the presentation by Dr.Makoto Mannnam at ASTS annual
meeting in 2007.

In the hospital which became a problem this time, the problem of
internal-organs dealing arose first in the autumn last year.
Investigation of the police entered and the problem of a series of free
kidney transplants came to light as a result.
He has not announced the contents of these incidents at any annual meeting
of Japan.

It is judged that this report is not appropriate as the paper of ASTS annual
meeting.



万波誠医師の《ASTS2007年度年次総会における発表》について、日本移植学会理事長
としての要望事項

現在問題となっている当該病院では、院内での臓器取引の問題が、昨年の秋に最初に
発生しました。
警察の捜査が行われた結果、一連の勝手な腎移植(free kidney transplants)の問題が
明るみに出ました。
彼はこれらの事実の内容について、日本で開催されたどの学会にも報告していません
でした。
この(万波)論文は、ASTSの年次総会の論文としては適切でない、と判定されます。


the problem of internal-organs dealing  なんて書かれると、まるでゼニで臓器を取引していたかのように思えるぜ。学会に報告せずに勝手に移植していたから悪い? 下手にてめえらに報告なんかしたら即座に横やりが入って止めさせられるじゃないか。救命第一に考えているからこそ手術を行ったんだ。今目の前に腎臓移植を必要とする患者がいて、捨てられる腎臓があって、万波医師にはその病気腎から患部を取り除いて移植できるようにする技術がある。リスクを冒して手術することに患者たちも同意している。それでも日本移植学会は万波医師を認めたくないのである。なぜか?彼を認めることは同時に自分たちの無作為を認めることであり、巨大利権の維持のためにわざとドナー不足の状況を守り続けてるという実態が暴露されることを恐れるからではないのか?

 万波医師に対するこの理不尽な処分が一日も早く撤回され、腎移植を待つ多くの患者たちのために再び彼がメスをふるえる日が来ることをオレは待っている。そして病気腎移植が早く解禁され、多くの移植医が万波医師の技術を学ぶ必要がある。万波医師には金銭欲も名誉欲もない。ただ1人でも多くの患者を救いたいという医師としての熱いハートがあるだけだ。それこそ医師にとってもっとも大切なものではないのか。


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