2007年12月25日(火) |
人気ブログの書き方教えます! |
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オレの読者と称する方から変なメールが届いた。
江草先生こんにちは。いつも日記を楽しみにしています。ぶしつけな質問で恐縮なんですが、私もブログを書きたいと思っています。どうすれば江草先生のような人気ブロガーになれるのでしょうか。今は何を書いたらよいのかもわからない状態です。よろしくご指導をお願いします。
同様の質問はこれからも舞い込むことが予想されるので、せっかくだからオレはこの読者に公開の形で返信することにした。まずメールの中の前提が間違っている。オレは断じて人気ブロガーなどではない。人気ブロガーというのはいわゆるアルファブロガーと呼ばれる一日1万アクセス以上を誇る書き手たちであり、真鍋かをりや中川翔子(しょこたん)のことを言うのである。だから質問メールはおれではなくてそういう方にこそ送るべきなのである。もっとも返信をもらえるかどうかはわからないが。オレはただに暴言コラムニストである。日記もたかだか数千のアクセスがあるにすぎない。この程度のブロガーというか日記書きはおそらく日本中に何万人もいるだろう。
それよりももっと驚くのは、このメールの主の「今は何を書いたらよいかもわからない」という部分である。オレはかなりあきれている。書く内容もないのに人気ブロガーになりたいという。ふざけるのもほどほどにしてもらいたい。その発言がどれほど矛盾したことであるか、あなたはわかっていて書いているのか。
もしもある男性が「結婚したいけど女性に全く興味がないんです!」と語ったらあなたはそれを聞いてどう思うだろうか。「将来はJリーグで活躍するプロサッカー選手になりたいのですが生まれてこのかたサッカーを一度もしたことがありません」なんてお馬鹿なことを言う人間がこの世に存在するだろうか。書くことがないのに人気ブロガーになりたいなんて思うことはそれと同じレベルの矛盾である。それがわかってこの方はオレにメールを送ってきたのだろうかと言うことだ。オレはこの場でこの方を罵倒しなくてはならない。「そんなアホなメールを送ってくるな!」と。しかし、このアホアホメールのおかげでおれは一本の日記を書けるのである。そういう意味ではこの方はオレに材料を提供してくれたということになるのかも知れない。
なぜオレが毎日ここで暴言を綴っているのか。それは社会に対する怒りが根底にあるからだ。政治家の不正に対する怒り、悪徳企業の醜いやり方に対する怒り、犯罪者の人権が守られ、被害者の人権が無視されることへの怒り、そうしたもろもろへの怒りがオレの執筆の原動力だと言える。オレは常にこの場で何かを罵倒してるのである。もしも日本がもっとまっとうな社会ならオレは書くこともなかっただろう。
オレの場合はたまたま「怒り」が執筆の動機なんだが、じゃあ他の方は何を書けばいいのか。そもそも怒りなど感じずに穏やかに日常生活を来る幸せな方は何を書けばいいのか。そんな方はとりあえず自分の日常を書けばいい。朝起きて何を食べたか、昼食に何を食べたか、夕食に何を食べたか。三食きっちりと写真付きで毎日書いていくならそれはそれでひとつのブログになるだろう。ただ、そこに出てくる食事が毎日同じなら読者は飽きる。毎朝吉野家で同じのものを食べるとか、夕食は吉野家とココ壱番屋で交互に食べるとか、そんなワンパターンの食事なら読者は見向きもしなくなる。そこで見栄を張って毎日欠かさず吉兆に通って・・・なんてことをするとゼニがかかりすぎて破産する。
自分にしか書けない自分のプライベートな日常を書く・・・これだけで十分にブログになるわけだが、ただの平凡なOLや会社員の日常にさして面白味があるわけではない。面白いのはやはり「昼はOLだが夜はSMクラブの女王様」とか「サラリーマンのように見えているが実は殺し屋」という非日常の含まれるものである。人は知らない世界のことだから面白く読めるのであり、風俗嬢の書いた日記とか政治家の秘書の日記とか、芸能人が本音で語る芸能界のウラ話とかに興味がわくからそれなりに読者が集まるのである。オレのような教師が学校生活のことをそのまま書いても全然面白くない。ところがとてつもない変態教師が次々と女生徒をその毒牙に掛けている「女子高生漁色日記」なんてものがもしもこの世に存在するならものすごい人気ブログになっているはずだ。その証拠に「15才美少女と塾講師の禁断の愛」という題名を見ただけで多くの人が「何だろう?」とそのページにアクセスするという事実があるのだから。
自分が食べたものを淡々と記録していくブログは実在する。毎日の昼食を記録してるブログや、毎日息子に持たせている弁当を写真付きで記録しているブログは見たことがある。いうブログはすでに存在するわけだから、その中で目立とうと思えば特に変わったことをしなければならない。毎日吉兆に通うというのは「目立ったこと」の例としてオレはあげてみたのである。そこでオレは考える。毎日の食べたものを記録するブログは存在するわけだが、じゃあ毎日自分が出したものを記録するブログなんてものはあるだろうか。自分の排泄物の写真を延々と毎日撮り続ける日記である。「まる子のウ○コ日記」なんて題名の日記が仮に存在するとして、どれだけのアクセスがあるだろうか。
いや、案外はこれは面白いかも知れない。人間というのはそういう汚いものであってもそれが美少女のものなら興味があるのだ。今昔物語の巻三十には、平貞文という色好みが本院侍従という女性に恋をして、そのおまるを盗み出すという話がある。愛する女性に思いが通じないので、そのウ○コを見ればきっと想いも醒めるだろうと思って手に入れたところ、香をたきこめてあってあまりにもいい香りがしていたのでますます好きになったというオチがついている。もしも顔写真付きで美少女が登場し、その美少女が毎日の排泄物の写真をUPするというブログが仮に存在するなら、それはかなりのアクセス数を稼ぎそうな気がするのである。ネットアイドルならぬ、ウ○コアイドルとしてデビューするというのもひとつの人気ブロガーへの道である。もっともその恥ずかしさに耐えられる女性が居るとは思えないのだ。女性にとって、排泄物を見られるということはある意味ヘアヌードを見られることよりも恥ずかしいことなのかも知れない。
タクシードライバーがその日の変な乗客について記すブログ。警察官がその日遭遇したお馬鹿な事件について記すブログ。放火魔が自分が放火した火事について書くブログ(これはくまぇりだったかな)。ナンパ野郎がその日その日に抱いた女性について書く千人斬りブログ。空き巣の常習犯が自分の戦果を誇るブログ。へたくそなトレーダーが自分の負けを毎日綴るブログ。とにかくこの世にはブログのネタはいくらでも転がっているのである。その内容が公序良俗に反するものであっても、面白くて更新が頻繁であれば必ず読者は増えていく。誰も書かないような題材を発見し、気が付いたらあなたはもう人気ブロガーになっているだろう。テーマ選びと地道な更新、この二つが大切だということしかオレには言えない。それでもとりあえず人気ブロガーを目指したいというあなたにオレは言いたい。こんな日記を読んでる暇があれば今すぐ何か書いてみろ!
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