2007年12月11日(火) |
ガソリン価格の謎 |
携帯用URL
| |
|
地下鉄御堂筋線新金岡駅周辺の道路はガソリンスタンドの激戦地である。そこではなぜかすべてのガソリンスタンドが同一価格を表示するという現象が起きている。12月8日の時点ですべてのスタンドが、レギュラー151円、ハイオク161円と価格がそろっているのだ。そこでオレはいつも利用しているオレンジ色のエネオスのセルフのスタンドにクルマを乗り入れて、給油機にクレジットカードを差し込んだ。表示された価格はハイオク155円だった。ここは土日割引3円と、ENEOSカード割引3円のおかげで表示価格よりも6円安くなる。しかもENEOSカードは請求時にあらに2円値引きがあるので実質153円ということになる。しかし、店頭の表示価格は161円なのである。なぜだろうか。
おそらく他のスタンドもなんらかの割引価格が存在し、実際はこの表示価格ではないのだろう。もしも店頭表示の価格が店によって異なるならば、1円でも安い店に集中するということで仁義なき価格競争に突入してしまう。もしかしたらそれを避けるためにこの「店頭表示価格トラスト」を各スタンドは結んでいるのじゃないだろうかとオレは邪推したのである。そうでなければENEOSもESSOもゼネラルもみんなそろって同じ価格というのはどう考えてもおかしいじゃないか。
そこから2キロほど離れたところにある金岡公園南、RAINBOWという名の、かつてダイエー系列のDマートというのがつぶれたあとにできた商業施設の前にあるESSOのスタンドの表示価格を見てオレはびっくりした。ハイオク172円、レギュラー159円なのである。すぐ近くのスタンドの値段と全然違うのだ。そんなに高いところは閑古鳥が鳴いてる・・・と思いきや、そうではなくてけっこう流行っていて、従業員は忙しく窓を拭いたりして働いていたのである。なぜこんなに高いところで給油するのか? オレにはどうも納得できなかったのである。
10円近い価格差が有れば、大阪のケチな人間は絶対に安い方でしか入れないはずだ。それなのに明らかに周辺のスタンドよりもかなり高いスタンドがどうして生き残っていて、しかもけっこう客が多いのか。オレはその理由がどうしてもわからなかったのである。なんでこのスタンドに客が来るのか?その謎はどうしてもオレにはわからなかった。
最近はガソリンの利幅が薄いので、ガソリン以外のものを売って利益につなげようとするスタンドも多い。オイル交換や洗車などである。オレがいつも入れてる新金岡のENEOSのスタンドも「タイヤ交換キャンペーン、専門店にも負けません!」などと書いてあるがそれは嘘だ。オレがオートバックスでつけてもらった1本約7000円という激安のタイヤがそこらのガソリンスタンドにあるわけないだろう。どうせブリジストンとかのかなり高価なタイヤしか選択肢がないに決まっている。
競争に勝てないスタンドはどんどん廃業していく。オレが通勤で走る道路沿いでも廃業したスタンドは多い。取り壊されていつのまにかファミレスになっていたり、中古車販売店になっていたりする。プリウスのような低燃費のクルマが増えたので消費されるガソリンの総量は減っているはずだ。しかも大規模なセルフサービスのスタンドが次々と誕生する。従来のスタイルでやってるガソリンスタンドは従業員の人件費も払えない状況だろう。中にはせこい金儲けに走るとんでもないスタンドもある。
オレの家の近くの出光のスタンドだが、母がパンク修理にクルマを持っていくと4500円もぼったくられたということがあった。オレはその金額を聞いてびっくりして店に怒鳴り込んだ。FTOを乗り付けてアルバイトに「責任者を出せ!」と怒鳴った。出てきたおっさんに「たかがパンク修理で4500円とはどういうことや、説明せんかい!」と抗議した。そこでおっさんは伝票を調べ、パンク修理とは別にタイヤの脱着料を2000円とっていたことがわかったのである。「パンク修理のたびにいちいち脱着料とるようなスタンドがあるんか!」とオレは猛然と抗議し、おっさんもその請求が手違いであったことを認めて詫びた。そこでオレは言った。「おまえら、オレのおかんがババアやからとぼったくったんちゃうんか。オレのおかんからぼったくったその店員はおるんか。おったらここに出さんかい!」もしかしたらそのクソガキはいたのかも知れない。しかしおっさんは「今日は来ていない」と答えた。オレは母を連れてきて首実検したいところだったが、それも面倒なのでとりあえず余分に請求された2000円を返してもらってそれで勘弁してやることにした。
オレのような息子がいたから母がぼったくられた金額は無事に取り戻せたのである。多くの老人ドライバーはおそらく泣き寝入りさせられているのだろう。しかし、このような不当なぼったくりによって利益を上げなければならないほどに追い込まれたスタンドが多いこともまた事実なのだ。
羽曳野市に安売りで有名なS石油というスタンドがある。もう20年以上も前だが、オレはここのスタンドで給油したときにバイトの女の子からガソリンをクルマにぶっかけられたことがある。白いボディにそんなのぶっかけられたらシミになるじゃないか。オレはクルマから飛び降りて抗議し、店の人があわてて拭いたのだがその車体にぶっかけた分がそのまま請求されていてオレは頭に来た。給油機のメーター通りの請求書に対して「なんでぶっかけられた分まで払わんとあかんねん、こんなもん払えるか!」と突き返したことがあった。ところが店の方は「払ってください」の一点張りである。ばかばかしくなってオレは窓から札を投げて「釣りはいらん、もう二度と来るか!」と急発進して出て行った。それ以降二度とそのスタンドには行ってない。もうずいぶん昔の話である。今もそのS石油は安売りで評判でそこそこ流行っている。アルバイトの給油技術が向上したかどうかはわからない。
元売り各社の卸価格はどんどん値上げされるのに、安売りしないと客が集まらず、ほとんど利益がないような状態で苦しんでいるガソリンスタンドにとって、オレみたいにガラの悪い客の存在はますますストレスを高めるだけだろう。自らの正当性を主張する前に、そんな苦しい店の立場にももう少し配慮すべきだったかとも思うのである。それにしてもガソリンはいったいどこまで上がるのだろうか。
←応援ありがとうございます。 m(_ _)m