2007年11月16日(金) |
昔はおからを食べていました |
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オレがまだ小学生くらいの頃、近所にあった市場には豆腐屋があり、そこでは豆腐と並んでおからを売っていた記憶がある。オレは豆腐は好きだがおからは好きじゃなかった。夕食におからの入った料理があったことも覚えてるが、嫌いなのでほとんど食べなかったはずだ。しかしこのおからというのは豆腐を製造したら一緒にできてしまうわけで、今は大量の廃棄物となって捨てられているのである。その廃棄物を適正に処理していなかった業者が摘発された。
大量のおからを不法投棄、堆肥製造業者ら4人逮捕…千葉
首都圏を中心に豆腐製造業者から集めた大量のおからなどを不法に投棄したなどとして、千葉県警は15日、同県大網白里町の堆肥(たいひ)製造業、大門正章(69)と内縁の妻、新妻恵美子(68)の2容疑者ら4人を廃棄物処理法違反の疑いで逮捕した。
このほか、逮捕されたのは、廃棄物収集運搬業、宮川和利(52)(横浜市南区大岡1)、横浜豆腐商工業協同組合元理事、田中■視(ともみ)(74)(同市保土ヶ谷区釜台町)の2容疑者。(■は「且」の下に「ハ」)
調べによると、大門、新妻両容疑者は、2004年6月〜05年10月、宮川容疑者らから有償で買い受けたおからや木くずなど計約1万8000立方メートルを、千葉県知事の許可を得ずに、同町金谷郷で借りた敷地内に投棄した疑い。田中容疑者は無許可で横浜市内の豆腐製造業者から、おからの処分を請け負った疑い。
県警は16日、横浜豆腐商工業協同組合を書類送検する方針。(2007年11月15日23時32分 読売新聞)
堆肥製造業者ということだから、おそらくはそうして集めたおからも堆肥の原料にしていたのだろう。だったらすべてそういう風に処理すればよかったのにどうして不法投棄してしまうのか。捨てるくらいならそのおからを家畜の餌に使えないのかなどとオレは考えてしまうのである。人間が喰えたくらいだから家畜もきっと喰えるだろう。アメリカでは肉骨粉を喰わせて育てた鶏のふんに蜜をかけて牛のエサにしているくらいである。それよりもおからの方がずっと高級なエサだと思うのだが、そういう用途には使えないのだろうか。
おからといえば豆乳おからクッキーというのがダイエット用品で存在するが、その流通量は日本中で喰われてる豆腐の量に比べればはるかに少なく、豆腐製造によって発生したおからをすべてこの豆乳おからクッキーにするわけにもいかないのである。他にも工夫すればおからを原材料にしたいろんな食品を作ることができそうである。食品関連の企業の中にこの大量の廃棄物となっているおからに目をつけるところがないのだろうか。
いま、おからは産業廃棄物扱いである。だからおからを回収するだけで排出する企業から処理費用をもらえるのだ。つまり、おからを原材料として何らかの食品を開発するとき、原材料の仕入れ代金が不要で、逆に処理費用という名のゼニが企業から入ってくるのである。集めたら後はきちっと処理しないといけない。ところがこの廃棄物処理業者のすべてが良心的なわけでもない。中にはこの記事で報道されたように、処理費用のゼニをもらっておきながら不法投棄するクソ野郎たちもいたわけだ。
日本の食糧自給率は先進国の中で最低である。その一方でこのおからのようにほとんど廃棄されるだけの食品のなれの果てもある。それを考えたとき、なんとかこのおからを食品に出来ないのかと思うのだ。廃棄するのではなくて喰えばいいんだと。オレは嫌いなので喰いたくないが、喰える人たちがしっかりと喰えばいいじゃないか。捨てていたものが商品になれば劇的に食糧自給率は上昇するだろう。おからクッキー以外の使い道をちゃんと模索して新商品を世に出さないと、今の子供たちはそれがかつて食品だったという事実さえわかっていないのだから。
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