2007年09月24日(月) |
円天、1000億円集めてトンズラの真相 |
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「100万円のゼニを払えば3ヶ月ごとに9万円の配当を払う」
「元本は一年後に返金する」
もしもそれが真実ならば、100万円は一年後に136万円になるわけで年利率36%もの高配当である。長年株式投資をしているオレでもそれだけの収益を上げることのできた年はほとんどない。このようなものは最初から詐欺以外に考えられないのである。もしもその詐欺集団がオレを顧問として招いてくれるならば、何かに投資してそれだけの収益を上げることは不可能ではないかも知れないし、現実に数百億の元手があれば小型株なら自由自在に株価操作できるので、取り組みのいい銘柄に踏み上げ相場を発生させるだけで年利率36%なんて軽く稼げる。この円天にとって最大の誤算は、集めたゼニをちゃんと増やせるだけの才覚がなかったことに尽きるだろう。集めることは集めたが、それをうまく運用する術も知恵も持たなかったために、新たな出資者のゼニを配当に回すしかなく、いつかは破綻する自転車操業を続けるしかなかったのだ。以下、読売新聞のWEBサイトからの引用である。
独自通貨「円天」の健康商品会社、会員5万人への配当停止
高額の配当や、「円天」と呼ばれる独自通貨をもらえるとうたって、全国の会員から多額の「協力金」を集めていた東京都新宿区の健康関連商品販売会社「エル・アンド・ジー」が今年2月以降、配当の支払いを中止し、各地の消費生活センターに苦情が相次いでいることがわかった。
今月20日には、同社が社員の大半を解雇したことも判明。同社の会員は約5万人、集めた資金は約1000億円に上るとみられ、返金を求めて訴訟を起こした会員の代理人弁護士は「不特定多数から資金を預かることを禁じた出資法違反の疑いが強い」と指摘している。
健康補助食品などの製造・販売を目的に1987年に設立された同社は、2004年ごろから全国各地のホテルで演歌歌手やタレントを招いた説明会を開催。「1口100万円の協力金を預けて会員になれば3か月ごとに9万円の配当を支払う」「1年後の満期には元本を返金する」などとうたって、会員の勧誘を始めた。
同社のパンフレットなどによると、会員になった場合、3か月ごとの配当とは別に、協力金の額に応じ、「円天」と呼ばれる独自通貨がもらえる。会員は、「円天市場」という会員限定のバザー会場やインターネット上で、この円天と、カニなどの魚介類やアクセサリー類、オーディオ機器などの商品を交換できる。「円天を使っても協力金の元本は保証される」というシステムが口コミで人気を呼び、会員はこの3年余りで、主婦らを中心に約5万人にまで増加した。
しかし今年1月ごろから会員への配当が滞り始め、2月には同社が「配当を一時保留する」「配当を円天に切り替える」と会員に通知。解約を申し出ても「来年2月以降でなければ応じられない」などと協力金の払い戻しを拒んだことから、各地の消費生活センターに相談が相次いでいる。
関係者によると、同社はその後も、従来の会員に「会員を集めてもらえなければ配当ができない」と訴えるなど、新規の会員の募集を続けていたが、今月20日に、60人前後いるとみられる社員の大半を解雇した際には、同社の幹部が「会社の規模を縮小して、経営の健全化を図りたい」と釈明したという。
今年5〜7月にかけ、協力金など総額3200万円の返還を求めて会員3人が起こした損害賠償請求訴訟の代理人を務める藤森克美弁護士(静岡県弁護士会)は「知人や家族の紹介で入会したため、被害を訴えにくい会員が多く、潜在的な被害者は相当数に上るのではないか」と話している。
同社は、読売新聞の取材に対し「個別の取材には応じていない」とコメントしている。
(2007年9月23日9時16分 読売新聞)
いつまで削除されずに残ってるかわからないのだが、さっそくオレはこの株式会社エル・アンド・ジーの公式WEBサイトを見に行った。そこには「世界経済円天構想」なるものが語られていた。円を預ければ同額の円天を毎年受け取ることができるというあり得ないことがそこではもっともらしく書かれてるのである。投資というものを少しでもまともに理解していればそんなことはアリエネーとわかるはずだ。使っても使っても減らない電子マネーが支給されるという触れ込みで、この詐欺師どもは会員5万人、金額にして1000億ものゼニをかき集めてはトンズラしたのである。
この円天という電子マネーだが、いったいどこで使えたのだろうか。公式サイトからの加盟店一覧などのリンク先に入るためには、ゼニを払ってあかり会員というものにならなければいけないようである。(以前は見ることが出来たのだが、今は会員以外非公開になっている。)もしも使える店がなければ、そんな実体のないゼニをもらったところでなんの意味もないわけで、もらっても全く無価値である。しかも払った元本さえも戻ってこないということになれば出資者は怒り狂うのも当然だ。しかし、出資する前に怪しいとは思わなかったのだろうか。
エル・アンド・ジーの公式WEBサイトにはこのような説明が書かれている。
おサイフなしに買い物ができる“Edy”“Suica”などでおなじみの「電子マネー」が、いま急速に普及しています。「円」を専用カードやケータイにチャージ(入金)するだけで、スピーディーに支払いができる手軽さがその人気の秘密。インターネットとの連携で、さらに便利に進化しつつあります。
もしも、チャージした「円」が減らないで、好きなだけ買い物できる電子マネーがあったら…。そんな常識をくつがえすほどおトクな電子マネーだったら、爆発的に普及することは間違いないでしょう。
そうなんです、まさにそれが「円天(えんてん)」という電子マネーそのものなのです。
使っても減らないおどろきの電子マネー「円天」でおトクなショッピングが楽しめるのはあかり会員だけ。あかり会員になるには円天携帯サイト「enten.jp」にアクセスして、新規会員の登録をすればOK。入会金や年会費はもちろん不要です。
あとは「円天受取保証金」をチャージして「円天」をゲット!
お金の減らない円天生活を、ぜひ体験してみてください。
こうして連中がだまし取った「円天受け取り保証金」の総額は500億とも1000億とも言われるのだがまだ正確にはつかめていないのだろう。5万人が一口100万ずつ払うだけで500億だ。そう考えればやはり1000億円近い被害が発生しているはずである。
出資者たちはこの組織が詐欺そのものであることになぜ気付かなかったのか。オレにとっての大いなる疑問はそこなのだ。どう考えてもそんな高利で運用できるわけがない。かつて豊田商事は預かったゼニを「純金ファミリー証券」と呼ばれる紙切れに置き換えた。今回のエル・アンド・ジー社はそれが「円天」という電子マネーになっただけのことで、どちらも何一つ実際の資金運用などできていなかったわけだから早晩破綻することは間違いない。
この報道では配当が滞りはじめたのは今年の1月からだとある。なぜそこから半年以上も報道がストップしていたのか。トラブル発生からこうして破綻状態が報道される間の時間が長すぎだ。その半年以上の期間に新たに会員になってしまった被害者が発生してるのではないだろうか。「投資は自己責任」なんだが、オレはそんなことさえも心配してしまうのだ。あるいは政治家や官僚にゼニを握らせて報道を遅れさせるなんてことを、今回の詐欺の首謀者であるエル・アンド・ジー社の会長がしていたのかも知れない。
オレがこの日記を書いている9月24日の時点で、まだエル・アンド・ジー社の公式WEBサイトは存在している。ぜひともごらんになってその胡散臭さを味わって欲しい。それともあかり会員になって潜入取材してみるかい。逆に洗脳されそうな人はやめた方がいいと思うが。
追記 9月30日にこのような報道がありました。
新宿の健康商品会社が事業停止通告、告訴なら「金返せぬ」
東京・新宿の健康商品販売会社「エル・アンド・ジー」(波和二会長)が、高額の配当や「円天」と呼ばれる独自通貨と引き換えに、全国約5万人の会員から多額の協力金を集めていた問題で、同社が今月下旬に多数の会員を集め、「今後は子会社が事業を受け継ぐ」と、活動の停止を通告していたことがわかった。
同社はこの際、「訴えれば協力金を返済できなくなる」と刑事告訴の動きをけん制していた。その後も協力金を返済する動きは見られず、一部の会員は、波会長らを出資法違反容疑で告訴することを検討している。
複数の会員によると、同社は今年2月、各地の会員に年36%の配当を停止することを一方的に通告。静岡や東京、北海道などでは損害賠償請求訴訟が起こされたため、同社は、返済希望者に「今年9月から分割払いで協力金の返済に応じる」と回答し、今月上旬には「9月28日に返済を始める」と説明していた。
ところが、28日の数日前になると、同社は、新規の会員を勧誘していた古手の会員たちを本社などに呼び出し、同社の資産を、波会長の親族が社長を務める子会社に移し、この子会社が事業を引き継ぐと説明。協力金については、「アラブの富豪から資金を調達し、経営を改善した上で返済する」と弁明する一方、「皆さんが勧誘した会員には、『訴えれば資金を返せなくなる』と説明してほしい」と訴えていた。
28日になっても協力金は返済されなかった。
同社が集めた資金は1000億円に上るとみられ、数千万円を支払った会員もいることから、返済希望者から相談を受けている都内の弁護士は、「刑事告訴に向けて被害会員の調整をしている」と話している。この問題について、同社は読売新聞の取材に応じていない。(2007年9月30日9時2分 読売新聞)
アラブの富豪から資金調達して返済・・・だなんて、胡散臭さ満点!
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