2007年06月30日(土) |
おきざりにされた悲しみ |
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学校に通わせてもらえない子どもの疎外感をあなたは想像できるか。この世にはさまざまな親がいて、自分の子どもが学齢期になっても学校に通わせずに放置するような親もいる。そのことによってその子どもが将来どんな不利益を被り、どんなに将来の可能性を奪われるかを考えたことがあるのか。世の中にはいろんな救いようのない親がいる。子どもを虐待して殺してしまう親さえいるのだ。バイクのヘルメット入れに子どもを入れて窒息死させるクソ親もいれば、ろくに食事を与えずに餓死させる親もいる。そうした子どもたちと比べれば、まだ命があるだけマシなのかも知れないが、それにしてもなぜこんな不幸な子どもが放置されていたのかとオレは驚いてしまうのだ。そこにそんな年齢の子どもがいることを周囲も行政も児童相談所も把握していなかったのかと。以下の記事は産経新聞のWEBサイトからの引用である。
ミイラ化の女性遺体発見 同居家族が2月から放置
29日午前7時10分ごろ、愛知県岡崎市稲熊町、人材派遣会社社員、大前清克さん(36)方のアパート一室を訪れた同社社長の男性(44)が、室内で大前さんの姉で無職、恵美さん(42)の遺体を発見、110番通報した。
岡崎署の調べでは、遺体はミイラ化しており、大前さんは「姉は2月ごろに死んだ」と話しているという。司法解剖の結果、遺体に目立った外傷はなく死因は不明。
岡崎署は、死亡を届けなかった軽犯罪法違反の疑いで大前さんと母親(70)から事情を聴いている。
調べでは、大前さん宅は大前さんと母親と恵美さん、恵美さんの長男(12)の4人暮らし。恵美さんは6畳一間の布団の中で死んでいた。
長男は中学1年生に相当する年齢だが、学校には通っておらず、岡崎市もそのことを把握していなかったという。県西三河児童・障害者相談センターは同日、長男を保護した。(2007/06/29 23:40)
12歳と言えば中学生の年齢だ。彼は自分の母親が死んだまま布団の中に放置されてミイラ化しているのを見ながらいったい何を考えていたのだろうか。70歳の母親とその娘と息子、そして娘の長男という4人家族がアパートで暮らしていた。彼らがいったいどんな生活をしていて、どんな毎日を送っていたのかこの記事は詳細を伝えていない。少年の父親はなぜいないのか。恵美さんは結婚していたけど離婚して子どもを連れて帰ってきたのか。そうした事情もわからない。ただ明らかなのは、恵美さんは亡くなってもそのまま放置されるような冷たい家族の中で暮らしていたという事実だけなのである。
学校に通わずに家に引きこもって不登校になる子どもが大勢いる。小学生の1%、中学生になるともっと増えるという。学校に通いたくない彼らなりの理由は存在するのだろう。しかし、この世には初めから通わせてもらえない子どもたちだっているということを知って欲しい。あなたには行くか行かないかという選択肢が用意されている。しかし最初から「行く」という選択肢を持たない子どもだっているのだと。地域紛争で国土が荒廃してる国の中には、いくら通いたくても学校そのものが存在しないところだってあるのだと。
死んだ恵美さんを4ヶ月も放置したこの家族の罪は「軽犯罪法違反」だという。そこまで人間としての尊厳を踏みにじるような行為が立ち小便程度の罪にしか問われないのか。オレはそうした扱いにも納得ができないのである。子どもを学校に通わせないことに対する怒り、死者を冒涜することへの怒り、おまえたちいったい何なんだよという怒りである。ただ明らかなのは世の中にはこのような救いようのない連中が確かにいるということなのだ。オレにできることはそうした連中とはできるだけ関わり合わないように平穏無事に生きることだけなのだろうか。
オレはまっとうな両親の庇護を受け、ちゃんとした教育を受けることができたことの幸福を改めて思う。そしてこのような悲劇をどうすればなくすことができるのかと考える。一人でも多くの人にオレの暴言コラムを読んでもらって、一人でも多くの方にきちっと目を開いて世の中を見つめてもらうことでしか、何一つ変わらないし動きやしないとオレは思っている。
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