2007年04月07日(土) |
ママ、ぼくは元気だよ・・・ |
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ママはいったいどこに行ってしまったんだろう。
最後にチャーハンを作ってくれたことは覚えてるんだ。でもそれからママは帰ってこなくなっちゃった。前にも何日か帰ってこないことはあったから今度もすぐに帰ってくると思っていたんだけど、今度みたいに長いこと帰ってこないのははじめてだよ。ぼくはとってもお腹が空いたけど、家の中にはけっこう食べられるモノがあったんだ。生ゴミの中にまだ食べられそうなものがけっこうあったし、お米もあった。ごはんの炊き方なんかわからないからそのまま食べるだけだけど、でも長いことモグモグ噛んでるとけっこう食べられるものさ。最初は弟にもそうしてあげていたんだけど、いつのまにか弟は動かなくなって、声をかけてもちっとも動かなくなっちゃった。ずっと寝てるんだよ。そのうちなんだか気持ち悪いふうになっていって、そばに寄るのも怖かったよ。
冷蔵庫にあったケチャップやマヨネーズをそのまま舐めるとのどが渇くので水道の水を飲んだよ。お米もこれで味付けできるしね。夜は寂しくて怖かったよ。とっても寒いし。でも、きっとママは戻ってきてくれると思ってずっと待っていたんだよ。退屈なときはテレビを観ていたんだ。お金もなかったから外に食べ物を買いに行くことはできなかったけど、けっこう食べられるものが家の中にあったよ。まだ4歳だからそんなにたくさん食べないし。ただ、ママがいつ帰ってくるかわからないから、少しずつ食べるという知恵を働かせたぼくってなかなかのもんだろ。
寒くてもふとんに潜り込んだら暖かいし、ママが帰ってくるまでぼくがこの家の王様だと思ったらつらくなかったよ。でも眠るといつもママの夢をみていたんだ。朝起きるとふとんの枕元が濡れてるんだ。きっと眠ってる間に泣いてたのかも知れないよ。どうしたらママが帰ってきてるのかなと何度も考えたし、帰ってきてくれたらちゃんとママの言いつけを守るよい子になるつもりでいたんだよ。ママが帰ってきた時、ぼくはうれしくてうれしくてドアから飛び出したよ。
4歳生ゴミで生存、1歳放置死…21歳母を殺人で起訴
北海道苫小牧市高砂町の市営住宅で昨年12月、無職女が男児2人を1か月以上置き去りにしたうえ、死亡した三男(1)の遺体を遺棄した事件で、生き延びた長男(4)が生ゴミや生の米、冷蔵庫内のケチャップやマヨネーズを食べて命をつないでいたことが、札幌地検などの調べでわかった。
同地検室蘭支部は6日、母親の山崎愛美(よしみ)被告(21)(死体遺棄罪で起訴済み)を三男に対する殺人罪で札幌地裁室蘭支部に起訴した。長男への保護責任者遺棄罪での追起訴も検討している。
同地検によると、山崎被告は兄弟を育てるのが煩わしくなり、昨年10月30日ごろ、2人にチャーハンを食べさせた後で交際相手の家に行き、12月4日に戻るまで2人を放置した。三男の青空(そら)ちゃんはすでに死亡、遺体はミイラ化していた。死因は餓死か低体温症とみられる。
一方、長男は元気で、山崎被告が戻ってドアを開けると飛び出してきたという。山崎被告は「2人を殺してしまおうと思った。2人とも死んでいると思ったので、(長男が生きていて)驚いた」などと供述している。
同地検は、長男に対する殺人未遂罪の適用も検討したが、放置された後も健康だったことなどから、立件は困難と判断した。
同地検は先月13日、青空ちゃんの遺体を交際相手宅の物置に放置したとして、山崎被告を死体遺棄罪で起訴した。二男は2004年に窒息死している。(2007年4月6日22時38分 読売新聞)
どんなにひどい親であっても、わが子を殺そうとするようなどうしようもない親でも、子から見ればそれはかけがえのない大切な存在である。虐待をされても逃げ出さないのはその相手以外に頼れる相手がいないからである。この子が大きくなったとき、自分を捨て、弟を殺した母親をやはり恨むのだろうか。オレは1ヶ月を生き延びたこの4歳の子が、これからの人生をどのように生きていくのだろうかとやりきれない思いになってしまう。近所の人は誰も気づかなかったのだろうか。
もうひとつの置き去りの事件→「その行く末は誰も知らない」
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