2007年04月05日(木) |
大牟田「死体屋敷」の謎 |
携帯用URL
| |
|
福岡県大牟田市明治町の民家、永江茂夫さん宅でミイラ化した5人の遺体が発見された。永江茂夫さんは99歳ということで年金も支給されていたわけだが、実は20年前に死んでいたということらしい。そして妻のフミコさんも10年前に、それから長男、次女、次男が亡くなったということである。最初に死んだ茂夫さんを火葬にしなかった理由は、「生き返るから火葬はしなくていい」とフミコさんが言ったからだという。その後に死んだ人も同様に放置されたために、この家は死体屋敷となってしまったのである。
「死んで生き返る」両親が言い聞かす…福岡の5人変死
福岡県大牟田市明治町の永江茂夫さん宅から、3日、成人男女5人の白骨・ミイラ化した遺体が見つかった事件で、県警は4日午前、永江さん宅の実況見分に着手し、遺体の司法解剖を始めた。
一方、長男と、市内に住む三女、四女が県警の調べに対し、「幼いころから両親に『死んでも必ず生き返る』と言い聞かされた。5人は両親ら家族で、病気や飢えで死んだ」などと説明していることが4日、わかった。
永江さん方では数十年にわたり、早朝や深夜に室内から太鼓の音を響かせるなど、周囲と交流せずに生活しており、県警は宗教的な要素が絡んだ変死との見方を強めている。(2007年4月4日14時40分 読売新聞)
さて、この死体屋敷の住人たちはいったいどうやって生計を立てていたのだろうか。茂夫さんやフミコさんの年金は停止されずにずっと支払われていたという。そして生き残りの家族、つまり長男、三女、四女(この家族は6人兄妹である)たちの中にはこの年金を受け取っていたことを認める者もいて、そうなると一種の詐欺のような気もするのである。死んだことを届けない限りいつまでも生きているものとして年金が支払われる。生存しているという証明を求められることはない。考えたら年金を受け取ってるオレの父も「現況届け」というハガキを一枚投函することしか求められていないわけである。そんなことで生存証明になるわけがないだろう。さしずめ今なら「生きて生活してるビデオでも撮って提出しろ」ということになるのだろうか。
そしてオレが不思議に思うのは、死体屋敷で起居を共にした人々の生活である。死体は強烈な腐臭を発するはずである。その中で平気で生活できたということに対する不思議さである。鼻の鋭いオレならその家の前を通過しただけで異常さに気づいただろう。近隣住民が誰も異臭に気づかなかったのだろうか。それが不思議なのだ。また、残った子どもたち3人は死体屋敷になってる状況を少なくとも知っていたわけであり、それを届けなかったという点で明らかに「いつまでも年金をもらい続けよう」とする意図があったのではないか。なんということだ。
不正な方法で受け取った年金で、時効の対象になっていない金額については即座に返還させるべきであるし、埋葬せずに放置したことに関しては死体遺棄罪などが適用できるのではないだろうか。少なくとも3人の子たちは5人の死亡時期などの詳細について知ってるはずである。「死者が蘇ると信じて寝かせていた」なんて悪い冗談である。いくら宗教とはいえ、その行為が罪になることは逃れられないのであり、事情を知る3人はなんらかに罰が与えられるべきだ。オレはそう感じるのである。
しかし、新聞記事を見てオレが驚いたのが永江茂夫さん(99)という書き方である。あきらかにとっくに亡くなった人であるのに、生きていることを前提にして年齢を表記するのだなあとその習慣に恐れ入ったのである。生死不明の場合は基本的にこのように表記するということになるのだろうか。亡くなった時点で年齢のカウントはいったんストップさせないとなんだか読んでいて納得がいかないのである。
←1位を目指しています。!応援の投票をよろしくm(_ _)m