2007年03月13日(火) |
日本の株式市場はとことんイカサマです |
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ほんの1週間ほど前には日経新聞紙上で「上場廃止」と報じられた日興コーディアルグループが上場廃止を免れることが東証からの発表でわかった。上場廃止報道で多くの個人投資家が投げたためにストップ安した。しかし、個人投資家が投げたものを外資は安く拾っていたのである。シティグループによるTOB発表で今度は暴騰した。上場廃止を想定して空売りしていた個人投資家は今度は高値で買い戻さないといけなくなった。この一連の動きで多くの個人投資家は振り回され、買って損を出し売って損を出し、いずれにしてもそうして個人が吐き出したゼニはきっちりと外資のフトコロに入ってしまったのである。このイカサマ銘柄を扱ったために資産をなくした個人投資家がどれほど多かったことだろうか。
今回の場合。オレは先に出た日経の報道が、実は大いなるイカサマだったんだと思っている。外資や機関投資家に安く買わせるチャンスを与えるためにまず「上場廃止」というガセネタを流して個人株主の動揺を誘って投げ売りさせ、同時にそのネタに食いついて果敢にも空売りを入れた人たちには「踏み上げ相場」という恐怖を与えて高値返済を余儀なくさせたのである。なんと汚い連中だろうか。
オレは株式投資は最終的には自己責任だと思っている。世の中にあるさまざまな情報の中で何を選び何を捨てるかは本人の自由だ。しかし、その大前提の情報そのものが欺瞞だったらどうなるのじゃ。我々は株式投資の指標としてその企業の業績をチェックする。その上で買うか買わないかと決めるのである。ところがここで粉飾決算などが行われていれば、本当は赤字のはずなのに黒字であると偽装したりして株価を吊り上げることが可能になるのだ。もちろん東証はそうしたことを許さないのがタテマエなので、粉飾決算などがあった企業の銘柄は「監理ポスト」に一時的に入れられる。
3月12日付のアサヒコムの記事の中には次のようなくだりがある。
東証は日興の一連の行為が上場廃止基準の「重大な影響」に該当するかどうかを中心に、慎重に調べてきた。西室泰三社長は12日の記者会見で「不正が組織的・意図的に行われたとまでは判断できなかった」と説明。同様に虚偽記載で上場廃止になったカネボウや西武鉄道と比べ、「日興が企業全体で不正に関与していたとの確証は得られなかった」と述べた。
社長が関与していた可能性が高いモノを「企業全体で不正に関与していたとの確証はない」とは何だ。少なくとも社長というのはその企業の顔だろう。それとも日興コーディアルはこれらの不正を「前社長とその側近が勝手にやった」という苦しまぎれの主張を展開するつもりだろうか。どんな不正であっても「社長が勝手にやりました」ならOKなのか。オレはそう言いたくなるのだ。なんて不公平なんだ。どうしてライブドアは上場廃止で、金額的にははるかに大きく、しかも市場の公正を保つために尽力しないといけないはずの証券会社の粉飾決算がこうしてほとんどお咎めなしで許されるということに対してオレは激しい怒りを覚えている。
日本の証券市場はイカサマである。ネット上を飛び交うインサイダー情報にだまされて多くの個人投資家はボロ株を高値で掴み、業績の悪化した株を空売りすれば今度は踏み上げ(空売りした銘柄が暴騰して、結局売った値段よりも高く買い戻さないといけないこと)られたりしてしまうのである。そんなイカサマだらけの株式市場で、損を出さないように必死で戦ってるのがオレなのだ。ああ、なんて不毛な戦いなんだろうか。
追記、きっこの日記3月14日分では、日興コーディアルと安倍晋三の結びつきについての記述がある。上場廃止にならなかった背景には、このような関係があったとしてもなんら不思議ではない。
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