2007年01月19日(金) |
ナンパメールの達人 |
携帯用URL
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メールの文章だけで相手の女性に恋愛感情を持たせることができるのだろうか。若い女性からの誘いのメールにうまくだまされて高額商品をデート商法で買わされる男性はかなりいそうだが、それもメールのやりとりの後に実際に会うことになるから完全にバーチャルではない。一度も対面せずにバーチャルなやりとりだけで女性に恋心を持たせ、その上ゼニまで巻き上げることが可能なのだろうか。もしもそんな高度なメール技術を持つ詐欺師がいれば、同時に多数の女性とメールのやりとりを通じたバーチャルな恋愛をしながらゼニも巻き上げるというが可能なわけである。オレはいまからここで紹介する事件でそんな感想を得たのである。
メールで恋愛感情かきたて150万円詐取 容疑の男逮捕
携帯電話のメールのやりとりで恋愛感情をかきたて、東京都練馬区の女性会社員(33)から153万円をだまし取ったとして、愛知県警豊田署は18日までに、同県春日井市妙慶町3丁目、無職高羽政光容疑者(58)を詐欺の疑いで逮捕した。
調べでは、高羽容疑者は女性に対し、「東京で活動している25歳のバンドのボーカル」と偽り、「バンド活動の資金が足りない」「家賃が払えず東京に居られなくなる」などと持ちかけて、昨年9〜11月にかけて5回にわたり計153万円を自分の銀行口座に振り込ませるなどし、だまし取った疑い。
女性とは昨年7月ごろ、恋人探しのサイトで知り合った。ミュージシャン風の若者の写真を自分だとして携帯電話で送り、「一緒に暮らしたら楽しいね」「好き好き」「頼りにしている」などとメールを送って気を引いたという。
「会いたい」という女性に対し「父親が死んだ」「事故に遭った」などとして拒み続けた。一方で「世話になっている社長がいる」と連絡した上で、社長になりすまして女性と直接会い、現金を受け取ったこともあった。
女性は不審に思ったこともあるが、「縁が切れるのはいや」との思いが勝り、ずるずると金を振り込んでいたという。
女性が年下と思ってメールをやりとりした相手は実は58歳のジジイだったわけで、その58歳のジジイは25歳、バンドのボーカルを自称していた。売れていないミュージシャンにゼニがないのは昔も今も定番であり、音楽活動や生活にかかるというゼニを頼まれるたびに振り込んでいたのである。しかもこのジジイは大胆不敵にも「世話になっている社長」になりすまして女性に直接逢ったのだ。まさか彼女も自分のメール交換相手がジジイとは思わなかったので見破れなかったのである。メールに添付された写真が本人であるかどうかなどわからないわけで、自分とは似ても似つかぬ美男美女の写真を添付することで、誰でもいとも簡単に相手を騙せるのである。
一度も会わないのに女性に強い恋愛感情を持たせるのに成功し、153万円ものゼニを引き出させた上に巧妙に合わずに相手をかわし続けたその戦術は、すべての結婚詐欺師たちにとって羨望の的だろう。結婚詐欺師というとその魅力的な肉体で相手を籠絡するのが常だ。そのためには美男や美女であるという条件が必要になる。しかしこの高羽政光というオッサンは58歳無職というおよそナンパには不向きで困難な状況にありながらも、それを克服して見事にゼニを奪い取ったのである。オレはこのオッサンにはぜひとも本を書いてもらいたいのである。タイトルは「ナンパメールの極意!」でどうだ。
☆こんなふうにメールを送れば相手の女性に恋愛感情を持たせることができます。
☆逢わないから自分の顔が相手にバレず、完全犯罪も可能です。
☆OLから153万円のゼニを巻き上げた私が教える秘伝のテクニック
こういう紹介文をオレは思いついてしまうぜ。
おそらく容疑者の高羽政光にとって社会に認めてもらう方法はそれしかないのかも知れない。58歳無職であっても大丈夫だ。メールで相手を籠絡する技術を本にするなら、必ず売れるとみて多くの出版社がオファーをくれるだろう。この男が送ったという膨大な数のナンパメールは証拠として押収されてるのだろうか。あるいはもう携帯電話のメモリーからは消去されたあとかも知れないのだが、もしも読むことができるのなら、どんなことが書いてあったのだろうかとオレは興味津々なのである。
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