2006年12月25日(月) |
小銭なんかにこだわらない人たち |
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昨日の日記「硫黄島からの手紙」に一部加筆修正しましたのでお知らせしておきます。
オレは自他共に認めるセコい人間である。それはこのコラムにたくさん張り付けてある広告のバナーやリンクからもわかると思う。たった1円や2円の収入であってもそれを積み重ねればいつかは大きな金額になると思ってそういうセコい努力を続けているのである。電車に乗るときもそうしたセコい努力は欠かさない。
たとえば休日にJRで京都に行く場合、普通に大阪駅の券売機で大阪−京都間の切符を買うと540円も掛かってしまう。しかし、金券ショップで昼特きっぷを買うと350円で済むのである。(もっとも昼特きっぷをばら売りではなくて12枚まとめて購入すれば一枚あたりの金額は306円で済むのである。まとめて12枚も買う必要があるのだが・・・)そんなオレの感覚からすれば、券売機で切符を買ったときに釣り銭が少なかったら絶対に駅員を罵倒しまくるだろう。以下の報道がオレには信じられなかったのである。
JR券売機で釣り銭過払い 100円と10円入れ間違え
2006年12月24日23時37分
JR西日本京都支社は24日、京都駅(京都市下京区)の自動券売機で、釣り銭用の100円硬貨と10円硬貨を収納する場所を入れ間違え、計4410円が過払いになったと発表した。同支社は客から申し出があった場合、購入時の状況を聞いて個別に対応する。
同支社によると、釣り銭を入れ間違えたのは同駅八条東口にある券売機3台のうちの1台。同日午後5時半ごろ、釣り銭の補充が必要かどうか点検していた駅の係員が、100円硬貨と10円硬貨の収納個所が、入れ違っているのに気づいた。同日午後1時半ごろ、別の係員が釣り銭を投入する時に入れ間違えたらしい。この券売機では約4時間の間に140件、6万930円分の券が発売されていた。
12月24日という休日の京都駅はかなり混雑しているだろう。八条東口と言えばアバンティとの連絡通路のそばにある京都駅の中では比較的利用者の少ない一角だが、それでもかなり混んでいたに違いない。そこの券売機でこのミスが発生していたのである。140件、6万930円分の切符ということは一枚あたり平均435円である。主に近距離客が利用する自動券売機だからそんなものだろう。ここで例えば京都−長岡京間の210円の切符を買って1000円札を券売機に入れたとする。すると本来790円のお釣りが出てくるはずだ。しかし100円玉と10円玉が入れ替わってるために500円+10円×2+50円×1+100円×4=970円出てくるということになる。この客は「おっ!クリスマスプレゼントだ。ラッキー!」と思ってそのまま持ち帰ったのだろうか。
しかしそれが京都−亀岡間400円の乗車券を500円玉を入れて購入した客だったらどうだろう。本来100円のお釣りが出るところに10円しか出なかったらいくらなんでも怒ると思うのである。たった90円とあきらめることはオレなら絶対にしないのである。
さて、JRはこの釣り銭間違いのトラブルに関して「購入時の状況を聞いて個別に対応する」と発表している。ということは、その日のその時間に京都駅の八条東口で切符を購入したと主張する人がその90円の返還を求めてやってくるということだ。どんなに大きなミスでもせいぜい数百円であり、どちらかというとそれによって得をした人の方が多いこのトラブルで、わざわざ返還を求めてやってくる人が果たしてどれほどいるのだろうか。JRはこういう請求の場合、客の言い分が明らかに誇張だと思っても自分たちの側の落ち度を考えてそのまま受け入れるのだろうか。
以前に料金表が間違いだった事件の時に、数ヶ月間毎日切符でその区間を利用していたという客の申し出に対してJRが十数万を支払ったという記事を読んで、「そんなん絶対におかしいやろ!普通は定期買うで」と突っ込みたくなったことがある。今回もおそらくわずか数百円を求めた寸借野郎が、この新聞報道を読んで京都駅に「釣り銭が足りなかった!」と抗議にやってくるのだろうか。そんな金額のためにわざわざ京都駅に足を運ぶようなこまかい性格の方なら、切符を買ったその時に釣り銭を数えて気がついてるはずである。
本当に釣り銭不足だった多くの人は「これくらいの金額ならいいよ」と気前よくあきらめてしまうのだろう。過払いが4410円あったということだがお釣りが足りなかった人もかなりあったはずである。両者を相殺して結果的に過払い分が上回っただけのことである。自動券売機を信頼せず、もらったお釣りはちゃんと確かめるという習慣をちゃんと持っていれば、すぐにこの券売機トラブルは発見されていただろう。たぶん釣り銭をそのまま財布に放り込む「機械の無謬性を信じる」方がほとんどだったのだろう。オレには不思議で仕方がないのである。
クレジットカードの伝票をきっちりと保存し、毎月送られてくる支払いの明細と突き合わせて間違いがないことを確認してから捨てるオレは細かいことにセコくこだわりすぎなのだろうか。実は過去に一度だけある店から過大に請求されていたのを発見して、その店に抗議したことがあるのだ。オレはカード会社に「不正請求です!」と電話で訴え、その店にも電話で同様のことを告げた。するとその店から平謝りに謝ってきて、過払い分のゼニを振り込みで返してくれたということがあった。もしも客が気づかなかったらそのまま不正に請求されたままなのである。
日本人のクレジットカードがスキミングされて海外で使われる事件が頻発してるが、金額が大きいからばれるのであり、もしも数千円単位の支払いで合計金額にさほど影響しないものなら気づかれない可能性もあるだろう。それにしてもこの入れ間違い、以前に英国だったか銀行ATMで入れる札の種類を間違えていて客が大儲けしたという事件があったことを思い出したぜ。
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