2006年09月23日(土) |
ソフマップはもう再起不能か? |
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オレは長いこと日本橋のソフマップを行きつけの店にしていた。ソフマップカードをいつも持参して、お買物をするとそこにルピーと呼ばれるポイントを貯めていたのである。行きつけにしていた理由はやはり安かったからである。近所にある上新電機テクノランドやニノミヤなどと比べて安い上にポイントがつく。そのポイントも私の場合は「ソフマップティーチャーカード」という教職員専用のカードがあってさらに優遇されていたのである。通常のカードの倍のポイントがつくようになっていたのである。
また、ソフマップには豊富な中古品が並んでいた。その中には激安品も多く、未使用のものが新品から2割くらい安い価格で置かれてることもあった。そういうわけでオレにとってソフマップは欠かせない存在だったのだ。同僚に「パソコン買うから一緒について行ってくれ」と頼まれても、いつも行くのはソフマップだった。「大阪でパソコンを買うなら日本橋に行く」というのは一つのお約束だったのだ。
ところがいつのまにか大阪にもコジマやヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどという大型店が進出してきた。たちまち和光電機、マツヤ電機などの弱いところが淘汰されてしまった。そんな中でソフマップのとった戦略は、日本橋から外に出ること、つまり天王寺や梅田という大阪の南北のターミナルに進出してそこで迎え撃つという方法だった。これは最大の過ちだったとオレは思う。ソフマップはヨドバシと梅田で正面対決することで、その品揃えの貧弱さと価格競争力のなさを露呈して敗れ去ることになったからだ。
ヨドバシの方が店がはるかに広い。その結果多くの種類の商品を並べることができてはるかに有利である。また価格もヨドバシのポイントを含めればほとんど差がない。中にはヨドバシの方がソフマップよりも安いものもある。なぜこんなことになってしまったのだろうか。オレは以前はソフマップの株主だったが、このままではジリ貧だと思ってその株を手放した。たった100株(9月22日現在の株価なら430円×100=43000円)持ってるだけで、株主優待のお買い物券3000円分がもらえるのはなかなかお得だったが、株価の値下がりでそれは帳消しになりそうだったからだ。
どうすればソフマップは生き残ることができたのか。ソフマップという店は梅田に出てヨドバシと対決するのではなく、日本橋というディープな場所に客を誘い込んでこそ真価を発揮できたと思うのである。わざわざ相手の土俵に出かけて勝負する必要などなかったのだ。初心者はそういう店に行ったとしても、マニアはちゃんと日本橋で買うというイメージを守るべきだったのだ。ギガストアと称してターミナルに進出したのは戦略的誤りだった。丸紅から見放されたソフマップはビックカメラの傘下に入ることになったが、業績が好転したという話はきかない。
数日前、オレは同僚から「パソコンを買うからついて行って欲しい」と頼まれて日本橋に出かけたが、そこでオレの向かった店はソフマップではなくてパソコン工房だった。お目当ての安いノートパソコンを買うにはソフマップよりもお買い得品に出会う可能性が高かったからだ。店頭にはたった8万5000円で液晶15インチ光沢液晶、CPUはセレロンM(1.40GB)、HDDは80GB、512MBメモリ、スーパーマルチドライブ搭載のノートがあった。オレは一言「これにしましょう」とアドバイスしたのである。ソフマップには残念ながらその価格帯にそこまでのお買い得ノートパソコンはなかったはずである。
ソフマップがかつての栄光を取り戻す日はもうないだろう。日本橋がもうかつての日本橋じゃなくオタクたちの集う異空間になってしまった今、パソコンショップとしてのソフマップはもはや不要な存在なのかも知れない。
オレがはじめて立ち寄ったソフマップは、雑居ビルの2階であやしげなソフトウェアのレンタル店だった。そこで借りたソフトウェア(メディアは5インチのFD)を持ち帰って複製し、翌日返却するという形でオレは手持ちのパソコン用ゲーム資産を増やしていったのだ。おそらくこれは著作権法違反にあたるのだろう。そういうわけで、オレの部屋にはもう骨董品となった大量の5インチFDのゲームソフトがある。初期の頃の三国志や信長の野望などが鎮座している。しかし、それらのゲームで遊ぶことはもうないだろう。そんな時間はオレにはないからである。
大量のゲームは今はただ棚に並んでるだけだが、いつかは処分しないといけないだろう。それを動かすパソコン自体がもう部屋にないからである。オレのパソコンライフと共にあったソフマップが、大手家電量販店との競争に敗れ去って退場する日もさして遠くないのかも知れない。オレはまだソフマップカードにルピーポイントが残ってることを思い出した。早く使わないと・・・
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