2006年06月21日(水) |
北海道夕張市は破産しました |
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6月20日、夕張市議会で後藤健二市長は事実上の破産に相当する「財政再建団体」への移行方針を固めた。負債は540億円で市の歳入の10倍近い。(まあ日本政府も800兆円の借金と80兆円の年間予算規模だから似たようなモノだが)今後の夕張市は財政再建計画を策定し、総務省から財政再建団体の指定を受けることになる。年内に指定されれば福岡県旧赤池町(指定期間1992〜2001年)以来14年ぶりの破産自治体となる。
夕張市の今年3月末の負債残高は、一時借入金が約292億円、地方債が約130億円など総額は約542億円。2005年度の当初予算額約114億円の約5倍で、自主再建は不可能と判断されたのである。さて、この負債の半分以上を占める一時借入金とは何か。これは当座の資金不足を補うためのつなぎ資金として金融機関から受ける融資である。「おっと、このままでは夏のボーナスを払えない!」「よし、銀行から借りよう」という感じである。
もちろんいつまでも借りっぱなしというわけにもいかないので金利込みで年度内に返すというお約束になってる資金である。しかし、夕張市にはこれを返すあてなどない。やむなく返済資金を他の金融機関から借りるという形で雪だるま式に借金が膨らんでこのようなことになったのである。借金を返すためによそから借金するという典型的な多重債務者の末路である。それがパチンコ屋に入り浸ってるアホどもなら話は簡単なのだが、そうではなくて夕張市自体が多重債務の泥沼へ突き進んでいったことに注目しないといけない。ここの市役所にはまともな人材は一人もいなかったのかと。なぜただの無能なオッサンでしかない後藤市長にすべてを任せていたのか。
夕張市がこの事態に陥った理由としてはまず人口減少があげられる。炭坑で栄えた1960年には11万7000人だった人口が、現在はたったの1万3000名に減ってしまい、国際映画祭や夕張メロンという観光の目玉も効果を上げられなかったわけだ。しかし、市はどうも有効なリストラ策を取れなかったようである。つまり、人口が1/10近くになってしまっても、市職員を1/10に減らすことができなかったのである。
オレは人口がたった1万3000人しかいない夕張市の予算額が114億円というのにまずあきれた。一人当たりの予算規模が87.7万円もあるのだ。(ちなみにオレの住む市は28万ほどである。これではあまりにも多すぎる。)今、市ではどのようなことが起きているか。5年後10年後にはどんなことが起きるか。それを防ぐにはどんな準備が必要か。そんなもろもろのことをきちっと考えられる有能な人材(例えばオレ)こそが必要だったのである。(オレはそんな北海道のド田舎で金策に走り回るなんてまっぴらだが)
地方自治というのは不思議だ。なぜどこの自治体も過剰なまでの職員を抱えてるのか。なぜ地方議員はみんな高給取りなのか。夕張市のような倒産という事態に至らないようにするために、そんな問題はずっと早くに解決しておくべきなのだ。夕張市の場合にも「こうなったのは炭坑を閉山した会社の責任であって自分たちのせいではない」という無責任な主張がまかり通ったのであろう。炭坑という職場がなくなったのなら働ける場所を求めて日本全国どこにでも移動すればいい。仕事のないままにその街に残り、生活保護などの公的扶助を受けて暮らしている人たちの比率は、同様に筑豊炭田のあった福岡県でも異常に高く、地域によっては生活保護受給率45%というところもあるらしい。これなどは手厚い(?)社会福祉が地方自治体をダメにした例である。
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