2006年06月10日(土) |
角和夫、おまえは関西人じゃない! |
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関西人と関東人の最大の違いは、モノを買うときのポリシーである。つまりこれは「よいものを安く買えることに価値がある関西人」と「自分がそれだけのゼニを出したことに価値がある関東人」との違いであると言える。
例えば高価な腕時計を身につけてるとき、関東人なら「このロレックス、200万円もしたんだよ!」とその高価さを自慢するわけだが関西人から見ればそれはただのアホである。関西では200万のロレックスを買うことなど全く自慢にならない。逆に馬鹿にされるだけである。関西で自慢になるのは「このロレックス、ホンマは200万くらいするらしいけど、そこの質屋で2万円で買えたわ。あのオッサン、この時計の値打ちわからんのちゃうか!」というパターンである。つまり、関東では「そんな高いモノを買えるくらいに金持ちである」ことがステイタスなのだが、関西では「本当は高いモノを頭を使って安く手に入れる」ことがカッコイイのである。
このように関東人と関西人ではモノを買うという行動に於ける価値観が正反対なのだ。そんな関西にいて、関西人的な価値観を全く持ち合わせていない馬鹿が、阪急ホールディングス社長、角和夫氏である。本当なら300円〜400円くらいの阪神電鉄株をなんと930円でTOBするとぶち上げ、その930円という高い買い物にはちゃんと正当な理由があるのだと必死で弁明を始めたのである。これこそ恥の上塗りである。バブルの頃に馬鹿みたいに値上がりした土地を借金して買って、後で値下がりして含み損に泣いた方々が無数にいたわけだが、それと同じ愚行をしようとしてるのである。
さて、現在の阪神電鉄の株主はどっちが得だろうか。「今すぐに株を市場で売却する」するか、それとも「そのまま持ち続けて阪急との統合を待つ」のか。阪神が阪急と統一された場合、その交換比率は1:1.4となることが決まっている。阪神電鉄株1株に阪急HD株1.4を割り当てるということだ。阪神株(TOB価格930円)1枚に対して、阪急HD株(6/9日の東証終値523円)が1.4枚与えられるということになるのだ。6月9日の終値を基準にすると 523×1.4=732円 ということになる。
阪神電鉄の現在の個人株主にとって、取るべき選択肢は3つある。一つはTOBに応じて持ち株を930円で買い取ってもらうこと。あの馬鹿社長が更迭されたらまともな人が社長になって計画の見直しがあるかも知れないから急げや急げである。二つ目はなりふりかまわず市場で全部阪神株を売却してしまう方法である。早く現金を手に入れたい人は言われなくともこのようにするだろう。三つ目はTOBに応じないでそのまま阪神株を阪急株に交換してもらう方法である。これはTOBに応じて得られる一株あたり930円よりも約200円も安いことになる。三つ目を選択する人はおそらくいないだろう。阪急は大株主にこの三つ目を勧めてるらしいが、そんな人を舐めた話はない。オレが大株主ならどんなに文句を言われようとTOBに応じて少しでも高く売り抜けるだろう。すべての株主に於いてこれは自明の理である。
ここであげた金額はあくまで6月9日現在での指標なんだが、阪急電鉄株がこれから劇的に上昇するなんてことはたぶんありえないだろう。むしろ下げる可能性の方が圧倒的なのだ。阪急はすでに巨額の有利子負債を抱えて青息吐息なのに、その上この巨額の買収費用を借金でまかなおうとすることは、やってることはカード破産する若者と本質的には変わらない。なぜ阪急HD株は下げ続けるのか。将来にわたる財務上の不安を多くの方が感じていらっしゃるからである。その上にこんなに高い買い物をしてしまうコスト意識に欠けた社長、角和夫氏の存在である。借金が多いのに社長がボンクラという企業の株価が下がるのは当たり前だ。そのボンクラはせっせと関東財務局にこんな内容を含む書面を提出している。
「阪神株の理論株価の範囲を805〜1036円と算定し、(その範囲内で)合理的価格として決めた」
オレはこれを読んで激しく脱力した。「アホか!」と叫びたくなった。会社四季報プロに掲載されている阪神電鉄の理論株価は400円以下だ。400円のものを「これは絶対に900円以上の価値があります!」と必死で弁明しているだけである。なんて情けないんだ。きっとこのオッサンは鶴橋で売ってるニセモノののロレックスに嬉々としてして200万円払いそうだ。「なんといってもロレックスですから、200万円は妥当な価格かと・・・」オレが阪急の株主ならこれから起きる暴落の可能性に発狂しそうになるぜ。
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