2006年04月15日(土) |
牛乳かかった詐欺にご注意! |
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近畿や関東地方の運送会社に対し、タクシー運転手を名乗る男から電話がかかってきて「おたくの配送トラックが落ちていた牛乳パックを踏み、中身が客の服にかかった。客の携帯に電話してほしい」と要求し、その番号に連絡すると別の男が弁償金を銀行口座に振り込むよう請求する事件が、今年に入ってなんと70件も相次い発生していることがわかった。明らかな新種の振り込め詐欺である。
そして、こんな怪しい電話に対して、ちゃんとゼニを振り込む人間が多いことにもオレはあきれるのである。このほとんどはタクシー運転手の名前が同じということから、大阪府警や警視庁などは、同一グループによる新手の「振り込め詐欺」事件とみて捜査している。日本もいつの間にかこんなに国際化が進んでいたのだ。ぶつかってきた後で、割れたワインのボトルを見せてゼニを騙し取ろうとする当たり屋と同じことを、「振り込め詐欺」という日本特有の犯罪の手法で成功させてきたのである。なんてお見事なヤツらなんだ。オレはこのアイデアの巧みさにまず驚いてしまうのである。
配送トラックが牛乳パックを踏んだかどうかまでこまかく管理している運送会社は存在しない。だからその言いがかりが真実かどうかを検証するのはきわめて困難なのだ。そこにうまくつけこんで、運送会社側の「たぶん日本のどこかで迷惑行為はしてるのだろう」「できれば客とはトラブルを起こしたくない」といういう意識も利用して、たぶん訴えられないと思われる上限のゼニを要求したのである。
運送会社が被害にあったと主張する客の携帯にかけてみると、暴力団組員を名乗る男から「名古屋へ組の葬儀に行く途中だった。代わりの礼服を借りたのでリース代金を払え」と、6万3000円を要求された。同社は「大した額ではないし、トラブルは避けたい」と、指定された都銀の口座に振り込んだという。
その詐欺専用口座はまだ生きてるのだろうか。口座が凍結されるのが遅ければ、その資産の大部分はすでに引き出された後だろう。「全国トラック交通共済協同組合連合会」(東京)によると、この詐欺電話は1月以降になってからかかり始め、3月末で東京、神奈川、京都、大阪など8都府県に広がっているらしい。また、これまでに関東の11社が「被害」の有無を確認しないまま計約70万円を振り込んでしまった。電話をかけてきた男は「タクシー運転手のヤマモト」と名乗っていたという。振り込み詐欺(当時はオレオレ詐欺)という事件が登場したとき、オレは「息子や娘のためなら簡単にゼニを振り込む」親の愚かさを嘆いたのだが、日本のどこにいるかも知れない牛乳をかけられた被害者のためにゼニを支払う運送会社もまたアホ、いやご立派なのである。
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