2006年03月24日(金) |
「白夜行」が終わってしまった・・・・ |
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オレは東野圭吾の小説「白夜行」を出版されてすぐに読んだ。東野圭吾のファンであるオレにとってそれは極めて自然な行動であり、読み終えるのが惜しくなるほどむさぼるように読み、そして読み終えた後でその作品世界の持つ重さに慄然とした。こんなに悲しいミステリーがこの世に存在するのかと打ちのめされたのである。
「白夜行」は直木賞の候補になったが受賞することはなかった。それはただ単に審査した連中がボンクラだったからだとオレは思っている。いや、文学賞の選考委員が作家であること自体が間違いだ。彼らは真にすぐれた作家を世に送り出そうとか紹介しようと言うボランティア精神は持ち合わせていない。もしも真にすぐれた作家が存在するのなら、それは却って自分たちの存在を揺るがせるライバルになるわけで、そんなものは出てこない方がいいのである。そういうわけで文学賞の選考委員は常に自分よりもスケールの小さい、いわゆる小物を選ぶわけである。選ばれた作品に対して一般の読者が「なんでこんな変なのを選ぶねん?」という疑問の答えは、それがとうてい自分のライバル足り得ないほどの駄作だからこそどの選考委員も安心して選んでいるという事実によって明らかとなる。
オレがこれまでに読んだことのあるミステリーの中で、「白夜行」はまぎれもなくナンバーワンの作品だった。こんなにオレがひきこまれた、そして悲しい作品は他になかった。ミステリーを読んでそのラストに涙することなどなかった。その作品がテレビドラマになると知ったオレは観ないわけにはいかなかった。
第一回の放映は、小説のラストの場面を流すことによっていきなりネタバレの展開となり、小説を読んでいたときには最後まで見えてこなかったことが、ドラマではすべて説明されていた。つまり、ドラマ「白夜行」は小説「白夜行」のネタばらしのストーリーだったのである。オレはそのことに最初はとまどいつつ、それでもドラマに引き込まれていった。そして結局最終回まで一夜も欠けることなく、そして放送時間中はテレビの前を一瞬たりとも離れることなく、最後まで観ることになったのである。さっき最終話を見終えた後で思うことは、来週から木曜日の夜何をして過ごそうかということだった。
オレは毎週木曜日のこのドラマを観るのをずっと楽しみにしてきた。その楽しみがもう来週からはないのである。心の中にぽっかりと穴があいたような、そんな気持ちをオレは今味わっている。どうして終わってしまったのかと。
ドラマには小説が持たないサイドストーリーが付け加えられていた。オレは通常ならばそういうことを嫌う。すぐれた小説はそれ自体が完結した小宇宙であり、その世界の改変などは断じてあってはならないとオレは常々思っているからだ。しかし、ドラマ「白夜行」においてはそうした部分はすべて、作品世界の魅力を増すために効果的に用いられ、小説のすばらしさをさらに引き立てる形で役立っていたのである。「ああ、このシナリオはなんて見事にできているんだ!」とオレは毎回毎回感動していたのである。小説を読んでいてストーリーを知るはずの自分だからなおさら「ここをいったいどう描くのだろう」と気になって画面を注視していたのである。
綾瀬はるかのような女優はどちらかというとオレの好みではない。「世界の中心で愛を叫ぶ」でも長澤まさみの出ている方がずっと好きである。ドラマ「白夜行」の中でオレの好みの女優はヒロインの親友、川島江利子を演じた大塚ちひろなのである。メガネをかけている顔がチョーかわいいのである。もっとたくさん登場させて欲しかったのである。番組の途中から彼女は雰囲気が変わってオレの好みから少し外れるようになって悲しかったのである。そんなことはドラマの本筋とは何の関係もないことであるのだが。
先ほどネットでこの「白夜行」を検索してみたところ、なんと「白夜行」DVDが6月23日に発売で、そこには編集時にカットされた未公開映像も収録されているということだった。きっと大塚ちひろもたくさん出ているだろう。オレはそのDVDを絶対に観ようと固く誓ったのである。
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