2006年01月27日(金) |
値上げじゃ値上げじゃ!ぼったくるなら今じゃ! |
携帯用URL
| |
|
空前の灯油高が続いている。元売り大手の出光興産では来月からなんと灯油1リットルあたり4円も卸値を上昇させるということを発表した。すでにいまも十分に高いのである。この上まだ高くされてはたまらないのである。いったいどういう理由で値上げが加速度的に発生するのだろうか。それはこの商品の持つ季節性にある。灯油で稼げるのははっきり言って今だけであり、春になって暖かくなれば全く売れなくなることが分かっているからだ。
今出荷している灯油はまだ安いときに輸入したものだから、コストはまだ高くなってない。今輸入されたものが出回るのは春になってからだ。そのときになってから値上げすれば、人々は購入しないでやせ我慢する者が増え、そうなると灯油の売り上げは伸びないことになる。どんなに高くても人々が灯油を買ってくれるのは、いまみたいに寒くてどうしようもない時期である。
3月になって寒さが和らいでから灯油を買えば「こんな高いのに灯油買うやてアホやな。我慢したらええのに!」とみんなから馬鹿にされるのは確実だ。灯油が売れるのもおそらくいまがピークであり、それを過ぎれば毎週漸減していくだろう。オレのような買い手側から見ればもう少しの我慢だ。この一番寒い時期に灯油を節約して寒さを持ちこたえたならば、後には寒さに耐えられる強靱な肉体と、やせ我慢して風邪を引いた馬鹿が残ることになる。強靱な肉体と言ってもただ寒さに対してやせ我慢できるだけで、そんなものに大した価値はない。いくら若いときに強靱な肉体を作り上げてもそれが維持できるわけでもない。オレは大学生の頃にクラブ活動に打ち込んで自転車で長距離を走れる体力を身につけたが、今はただの軟弱なオッサンである。20年も経てばすべてが失われるのである。
高いのは灯油だけではなくガソリンも同様である。オレがいつものセルフのスタンドでハイオクを入れようと料金を見ると132円(消費税込み)となっていた。もしもこの値段ならオレにとっての高値更新である。こんな高いガソリンを入れるのははじめてだ。これまで比較的安い店を利用することで価格上昇の波をうまく逃れてきたのだが、どうやらもう逃げ場はなくなったようだ。オレはこれからは高い店で買うしかないのだ。原油高と寒波、この二つの現象を利用して石油業界は、オレたち庶民に対し情け容赦のないぼったくり攻撃を繰り出してきているのだ。
さて、来年の冬になればどんなことになっているだろうか。プリウスなどの低燃費車はますます増えていき全体のガソリン消費量は確実に減るだろう。灯油高によって暖房の灯油離れが進み、価格の安定した電気にシフトするようになってオール電化住宅が増加するだろう。電気代はこんな安直には値上げしてこないからだ。それを考えたとき、つくづく石油元売り業界のトップには馬鹿が多いと感じる。こいつらには基本的に「今この瞬間にゼニを儲けるにはどうすればいいのか」という貧困な発想しかないのだ。少し頭が働くならば、「ここで灯油を上げしすぎると暖房の灯油離れが起きるから、ほどほどにしておいてコストの安さをアピールしないとだめだ」という戦略を立てることが可能なのだが、ガスや電気と比較して低コストで暖房できるという灯油の強みを自ら投げ捨て、「今なら高くてもみんな買ってくれるぜベイビー」とハイエナのように金儲けに邁進中なのだ。馬鹿丸出しである。オレにとって残念でならないのは、やせ我慢以外に自分が使える武器が一つもないことなのだが。
明日も読もうと思う方は人気blogランキング投票←のクリックを必ずお願いします。 株式銘柄情報掲示板もよろしく。
前の日記 後の日記