2006年01月17日(火) |
ライブドアは果たして悪者か? |
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自社の株価を上昇させることは、企業価値を高めると同時に大株主である自分も金持ちになれることである。そのために卑怯な手を使うことはどこまでOKなのか。株式分割という方法での錬金術は果たして許されるのか。600円台なのに一株単位で買えるライブドア株のような銘柄にはそもそも分割のメリットはない。分割する意味があるのは最小の投資単位があまりにも大きくて個人投資家が買いにくい銘柄である。
たとえば一株122万円(2006年1月16日現在)のイー・トレード証券が今月末に1:3の株式分割を発表しているが、これは個人投資家にとっては朗報であり、個人株主を増やす上でも有効な手段だ。それはオレも納得する。しかし、ライブドアにとっての株式分割というのは、ただの錬金術であったことも事実だ。1:100の分割なんていう前代未聞のことをやってみたりして話題になったが、利益を株主に配当するというまっとうな形での株主還元策を行わず「値上がり益で還元する」と豪語してきた堀江社長は、ついに証券取引法違反でつまずいたのである。
その堀江氏の容疑は利益の水増しなどの虚偽の事実の公表による不当な株価つり上げとされている。果たして堀江社長はその疑惑を晴らすことができるのか、あるいは逮捕されてしまうのか興味は尽きない。もっともオレがライブドア株のホルダーなら心配で夜も寝られないだろうが、幸いなことにオレはイー・トレード証券の株主で、ここは堀江社長のライバルである北尾吉孝氏の率いるSBIホールディングスのネット専業証券子会社なのである。ライブドアがこけることは、ライバルであるライブドア証券も信頼を失うことであり、一時的に全体の株価が下げる局面で連れ安する展開にはなっても、長期的にはライバルの戦力低下によってイー・トレード証券は恩恵を被る可能性が大なのである。
さっきマネックス証券の夜間取引の画面を見たら、見事にライブドア関連企業はどこも売り一色だった。おそらく寄り付きから壮絶な下げが起きるだろう。ストップ安という展開になるかも知れない。さて今回の証券取引法違反の容疑だが、ライブドアマーケティング社(当時はバリュークリック社)の株価を上昇させることを目的として、出版社「マネーライフ」社を完全子会社にすることを発表したことと利益を水増しした虚偽の決算発表を行ったことだという。利益を過小に申告して脱税する企業が多い中で、もしも水増しした利益に対して法人税ををしっかりと払ってるのならなんと愛国心の強い企業なんだと感動したくなるが、堀江氏の目的は投資家に自社株を高く買わせることだけが目的だったのである。
投資家をペテンにかけるこのような行為がもしも本当に行われていたのなら西武鉄道のように上場廃止すべきだろう。ライブドア社だけではなくその関連会社も含めて東証は厳しい処分を下すべきである。そうなると時価総額にして1兆円を超える金額が紙くずになってしまうわけで、ライブドアの株主である多くの個人投資家たちはパニックに襲われるだろう。株式投資というのはしょせんそんな世界である。1000円前後をウロウロしていたサンリオが急上昇して1月16日には2300円をこえた。急騰劇の背景にはビル・ゲイツがサンリオを好きだとか村上ファンドが介入しているとかいう真偽のほどが不明のウワサが飛び交っている。そういうウワサに飛びついて買う個人投資家も多いのである。
ただ、決算に関する報告にウソはいけないだろう。そこをきちっと情報開示するのは東証の重要なお約束なんだ。某楽器メーカみたいに手元資金が不足してMSCB(転換価格修正条項付き転換社債)を発行するほど業績が悪くても、土地の売却益をうまく織り交ぜて黒字発表すれば個人投資家は勘違いして買ってくれるのである。この世界はそういうふうに巧妙にやらないとだめなんだ。ヒューザの小嶋社長とちがって自民党の連中も守ってくれない中でホリエモンはどうやってこのピンチを切り抜けるのか、オレは密かに楽しみにしている。
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