2005年12月08日(木) |
高校中退でもニセ医者にはなれる! |
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見よう見まねで医師の仕事を理解することができるのだろうか。だったら6年間の専門教育や国家試験はいったい何だったのかという事件が起きたのである。医師免許がないのに医療行為をしていたとして、警視庁は12月6日、東京都目黒区、山城英樹容疑者(33歳)を医師法違反の疑いで逮捕した。この男は偽造した医師免許証のコピーを提出し、1997年ごろから病院の勤務医や宿直医を転々としていたという。8年間もバレなかったのである。それくらい長く経験を積めばもう完璧に周囲を騙すことができたのかも知れない。医師としての力量もついただろう。
この山城容疑者の銀行口座には1997年以降、病院など約20の医療機関から現金が振り込まれており、昨年の1年間では都内の3病院などから約2000万円の収入を得ていた。年収2000万円というのは医師の中では少ない方かも知れないが、世間一般の基準からみればかなりの高給取りである。周囲には「慶応大医学部卒業」と自称していたわけだが、実際には慶応どころか高校を中退していたのである。これではあまりにも落差が大きすぎるのである。
山城容疑者がニセ医者を始めたきっかけは、1997年4月ごろに都立病院で、見学生として医師の診療などを見ていたことがあったからだという。見ているだけでまねられるのならもしかしたらたいした才能かも知れない。事実その直後から彼のニセ医者としての活動は始まっているのである。しかし、専門的な知識の欠如をどうやって彼は補っていたのだろうか。日夜必死でインターネットで調べていたのだろうか。あるいは家に帰ると大量の医学書に囲まれて猛勉強だったとか。そうなると必要な知識は満たせていたことになる。もしかしたらホンモノの医師よりもはるかに仕事熱心だったかも知れないのである。
彼がどんな医師だったのか、ここは患者や同僚の証言がぜひとも聞きたいところである。あと、意地悪な看護師さんの証言も知りたい。きっとそういう人の中には「ニセ医者」であることを看破しながらも一緒に仕事をしていた人がいるはずである。病院によっては、医師が足りないよりはニセ医者でも居た方がいいという事情のところもあったかも知れない。あるいは無医村ならば、村人みんなが彼をかばってくれたかも知れないのである。山城容疑者には罪をつぐなってからぜひとも「ぼくのニセ医者日記」でも書いてもらいたい。ニセ医者だから見えてきた医療の世界の問題点をぜひとも語らせたいのである。自分よりもダメな医師免許保持者は大勢居るぜひ語ってくれ。
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