2005年10月18日(火) |
なんでそんな危ないところに住むんだ? |
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家を買うというのは一生のうちに何度もあるものではない。またそのためにローンを組んで30年近く払い続ける人もいるわけで、ちゃんと選んで買うべきだとオレは思っている。空港の近くで騒音の激しいところとか、交通量の多い道路のそばで排気ガスを一日中浴びる場所だとか、墓地の横で夜になるとヒトダマが飛び交うところとかを避けるのは当たり前のことである。もっとも世の中にはマゾヒストという変な人たちや、アホというオレには理解不能な人たちが居るのでそういう場所にある家も売れるわけだが。
川の近くに家を建てた場合、洪水になって家がながされたり浸水したりするリスクを背負うことになる。これからどんなどでかい台風が来るかわからないのである。それが怖かったら最初から安全な場所に住めばいいのだ。もちろん資本主義社会の原則に従って、そのようなリスクのある場所は価格設定も安くなってる。リスクに対する対価という意味である。
中国道を西に向かって走ると、西宮名塩SAの手前で武庫川を渡る橋が掛かってる。その橋の谷底のあたりに、川にへばりつくようにリバーサイド住宅という住宅地がある。武庫川が大きく蛇行する谷底の川幅が狭くなった部分にその住宅地はあるのだが、観光バスで通過するとき、オレは谷底の川縁に家が建ち並んでる光景にかなりあきれたものである。
「なんでこんなとこに家を建てるんだ。武庫川が増水したら危ないじゃないか」
実際このリバーサイド住宅は、昨年10月の台風23号による川の氾濫で大半が床上浸水し、大規模に壊れた家や半壊した家も多数出たのである。1983年の台風10号の時も床上浸水するなど住民は水害に悩まされてきたという。当たり前である。そんな場所を最初から選んでるのだ。つまりそこに家を買ったということは一種の自己責任なのである。線路の横に家を建てて騒音がやかましいと文句を付けてるのと同じである。電車は昔から走っているんだぜ。
兵庫県は水害対策のためにこの部分の武庫川の川幅を拡張する工事を行うことを計画し、リバーサイド住宅の一部の住民に立ち退いてもらって川幅を広げて堤防を高くし、残る住宅の土地をかさ上げする案を示した。工事費と補償費で総額24億円の見込みだという。なんと兵庫県は気前がいいのだろう。オレにはこの支出は納得できないのだが、オレは兵庫県民じゃないから別にどうでもいいのである。上から見れば河川敷の一部としか思えない二束三文の土地を無理やり住宅に開発して金儲けした外道どもに本来そのゼニは払わせるべきだろう。家を買うのは本当に難しいのである。
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