2005年07月02日(土) |
55歳で医学部受けたらアカンのか! |
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今春の群馬大学医学部の入学試験を受験した東京都目黒区の主婦がいた。55歳という高齢にも関わらず彼女は無事に合格者平均を上回る得点をとったのである。平均を上回るということは、今年の医学部入学者の半数はこの主婦よりもアホということである。ところが彼女のもとには合格通知が届かなかった。群馬大医学部は、55歳というこの主婦の年齢を問題にして不合格という決定を下し、それと比べたら若いけどアホな受験生を一人合格させたのである。
55歳で医学部に入っても出るときは61歳、60歳ならもう定年を超えているから研修医として受け入れてくる病院もないし、だったら入るだけ無駄だという合理的な判断を下したのである。さすが国立大である。医学部の学生一人を教育するのには年間に500〜1000万の経費が掛かるという。それだけ税金を掛けてるのに、医師になれる可能性が低い学生は採らないという賢明な判断をしたわけだ。
しかし、年齢を理由にして門前払いするのなら、きちっとその旨を入試要項に明記すべきである。残念ながらオレは「○○歳以上の方は受験できません」と書かれた入試要項を見たことがない。なぜかというと大学というのはあらゆる年齢の方に門戸を開いているからである。100歳をこえていても「入学できない」ということはないのだ。55歳で医学部に合格できるだけの受験勉強をするというのは大変なことである。年齢を増すごとに記憶力はどんどん衰えていく。オレも必死で戦ってるからよくわかる。この55歳のご婦人は18歳の若者の100倍くらいの集中力で勉強したはずである。その値打ちを理解せずにただ単に「高齢だから」という理由だけで門前払いしたその決定は、国民の学ぶ権利を認めないという点で基本的人権を踏みにじった許されない行為である。
これが大学ではなくて「職業訓練施設」ならば、就職に直結しないものを入学させないというのも理屈は通っている。しかし、少なくとも大学と名の付く施設は、多くの学生が「就職予備校」と勘違いしてるが実際はそうではない。そこは知と戯れるための大人の遊技場である。たまたま医学部や法学部が「実学っぽい」方向に傾いてるだけで、オレの学んだ文学部などは、全く世の中の役に立たないことをみんな勝手に勉強してるのである。みんなただ学問という名の自慰行為にふけってるだけである。そうではない変なヤツや、大学には全く行かずにバイトばかりしていたヤツもいるが、少なくともオレにとっての大学はそんな場所だったのだ。
これが私立大学ならば、合格判定基準に容姿やゼニというモノサシを導入していようとそれは大学側の勝手なんだが、国立大学である以上そのようなわがままは許されないのである。入学試験というのは万人が平等になる世界だ。実社会では容姿や年齢、出自や国籍による差別が厳然として存在する。ところが入学試験は点数さえとればどんな極悪人であろうと変態であろうとブスであろうとみんなOKなのである。この原則を破って恣意的な合否判定を行った群馬大学からは、いますぐ大学設置の認可を取り消して廃校にすべきである。大学はあり余ってるしちょうどいいじゃないか。
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