2005年05月20日(金) |
キャッシュカードをわざと盗ませるヤツ |
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自民党の「偽造・盗難キャッシュカード問題に関する小委員会」(江崎洋一郎委員長)は、盗難カード犯罪で金融機関に被害補償を義務づける議員立法について、金融機関が預金者の過失を立証できない場合は全額補償させる内容とする方針を固めたという。補償対象は、金融機関に届け出た日からさかのぼった10日間の被害とする方向だとか。なぜ届け出日からさかのぼれるかだが、盗難に遭ったことをすぐには気づかない場合もあるので猶予期間が設けられてるのだろう。
しかし、カードの盗難に遭うことに全く過失がないということがあり得るだろうか。オレは以前に車上荒らしにあって預金通帳と印鑑を奪われたが、それはいくら公共駐車場とはいえクルマの中にそんなもんを置いていた自分の大いなる過失だったわけで、100%の注意ができていれば盗難被害に遭うことはありえない。家のカギのかけ忘れだったり、放蕩息子に持ち出されたり、オヤジ狩りにカバンごと強奪されたりという事例は、オレの価値観ではすべて「本人の過失」の中に含まれる。
家に空き巣が入ることだって、長時間留守にしていればそりゃ空き巣も入るわけで、何重にもカギをかけるとか侵入者を撃退するための映画「ホームアローン」に出てくるような仕掛けを用意しておけば空き巣の方が怖がって退散するだろう。
偽造カードの被害の場合に金融機関が全額補償するのは納得がいく。偽造されるようなちゃちなものを与えているから悪いのである。もっと認証の仕組みを複雑にして、指紋や手のひらの毛細血管など本人確認のための材料を増やせば偽造そのものが不可能だ。しかし、盗難カードの被害を全額補償した場合、本当は盗まれていないのに「盗まれた」と届け出る便乗犯が出てくることは容易に予想できる。自分で部屋をめちゃめちゃに荒らすとか、友人に泥棒役をやらせて利益を折半するとかである。盗まれることを狙ってわざと大量の普通預金をその口座に入れておき、それをうまく盗ませてから銀行に届け出して、盗まれた分も補償してもらって一挙に資産を倍増させるということも不可能とは言えない。その程度の単純な犯罪を仕組むヤツはいくらでもいるのだ。だから自民案のような金融機関に不利なルールにオレは反対する。
ただ、たとえカードが盗まれても絶対に本人以外が引き出せない仕組みさえ開発すれば盗まれてもへっちゃらだ。自民党のこの強引な案は、「そんな法案を認められたらたまらない」と銀行側にカードのセキュリティ向上を促すために考えられたような気がしてならないのである。とりあえず指紋認証カードなんかを導入すればいいんじゃないかな。
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