江草 乗の言いたい放題
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2004年10月03日(日) イチローを無視した男        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 天才凡庸な人間の差というのは、天才には他の天才が見えているが、凡庸な人間には天才も自分と同じ凡庸な人間にしか見えないということである。「千里の馬は常に有れども、伯楽は常には非ず」一日に千里を走る名馬はいつの世にも存在するが、その馬の能力を見抜ける名伯楽はいつもいるとは限らない。オレが推敲してひねり出した名文もバカから見れば退屈な文字の羅列である(だからオレはバカが嫌いだ)。

 日本には12人のプロ野球球団の監督がいて、他にも野球のコーチや解説でメシを喰っている数多くの人がいる。その中には、鳴り物入りで入団しても全く役立たずの選手ばかり連れてくる無能なスカウトももちろんいる。素質のある新人が獲得できなければその球団に未来はない。高校時代の原石のイチローに目を付け、ドラフト4位で指名させたスカウトがいなかったら、野球の歴史は変わっていただろう。

 米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は10月1日、レンジャーズ戦で3安打して今季通算259安打とし、ジョージ・シスラーが1920年に作ったシーズン最多安打記録「257」を84年ぶりに塗り替えた。ついに米大リーグ最古の記録の頂点に立ったわけである。そんな天才を、あろうことか全く無視し続けた無能な監督がいた。土井正三である。V9時代の巨人軍の二番セカンドとして活躍し、名脇役だった選手である。

 彼がオリックスの監督時代、イチローはほとんど二軍暮らしだった。一年目にウエスタンリーグで打率.366(首位打者)、翌年も二軍で.371をマークしながら一軍出場はわずか43試合64打数(12安打、打率.188)にとどまった。なぜ土井正三にはイチローの能力が見抜けなかったのだろうか。土井は振り子打法のイチローに向かって「その打ち方はやめなさい。基本ができてない」と言ったという。無能なヤツの指導に従いたくなかったイチローは自ら二軍行きを志願したという。

 オレが思うに当時のオリックスにはイチロー以上にすばらしい肩と足を持つ選手など他にいなかったはずである。イチローに比べればはるかに凡庸な選手たちばかりを土井は使い続けたのである。生涯凡庸な選手として終わった自分のごとくに。

 93年、土井正三に代わって新たに監督になった仰木彬は鈴木一朗を「イチロー」と改名させ、オープン戦から積極的に起用した。まだシーズンも始まっていないのに仰木彬がイチローの首位打者を予言していたのは有名な話である。4月になってから期待通りに打ちまくるイチローを見て今度は日本球界前人未踏の200安打を予言したのである。その年130試合にフル出場したイチローはなんと210安打(日本新)もした。日本が生んだ世界最高の打者イチローと、イチローの素質を見抜けなかった日本一ダメな指導者土井正三、この二人の名が野球ファンの心に永遠に刻み込まれることは間違いない。しかし、このダメ指導者に負けるもんかという不屈の闘志が今のイチローにつながったのだとしたら、それなりに存在価値はあったのかも知れない。


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