2004年09月13日(月) |
九州新幹線に乗ってしろくまを喰え! |
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九州新幹線が新八代−鹿児島中央間で部分開業してもうすぐ半年だ。在来線の時に比べて乗客数は2.36倍に伸び、鹿児島市では「ホテル戦争」が起きるなど活況を呈している。なんと一日あたり9000人もの乗客があるという。賑わってるのは鹿児島市内だけではない。霧島や指宿と言った老舗の温泉もまた前年比で客数を伸ばしているのだ。
以前にオレはこの九州新幹線に対して、「そんなに新幹線が欲しいかね」と辛口の意見を書いた。住民には強制的に新幹線の利用を義務づけろなどという暴言を書いたのである。しかし、実際の乗客数を見ればオレの予測は厳しすぎたわけで、この場をお借りして鹿児島県民の方々には深くお詫びしたい。
おそらく天文館の「むじゃき」では名物のしろくま(フルーツと練乳をたっぷり使ったかき氷の一種)が飛ぶように売れてるのだろう。オレも喰いに行きたいのである。
しかし単なる通過点にされてしまった熊本や八代は景気が悪くなってしまったのである。これもまた当然の結果だ。駅前再開発どころじゃないのである。そんなことをしても借金が増えるだけなのである。新八代駅などは乗り換え時間が3分しかなく、これでは売店でお菓子を買うことすらできないのである。熊本県民はおそらく怒り心頭だろう。「新幹線のせいで困ってるんだ!」と怒号が聞こえてきそうだ。
この新幹線好調の影響で、日本航空の福岡−鹿児島線は4月の乗客数が前年の約54%に落ち込んだという。割引運賃と値下げで対抗した結果7月はなんとか6割程度まで回復、8月はさらに増える見込みというが、苦戦してるのは確かである。大阪に住んでるオレにとってそんなところにできた新幹線は全く関係がない。もしも鹿児島に行く用事があればいきなり飛行機で行くに決まってる。おそらく利用者は福岡や佐賀、長崎といった九州内からの移動が中心だろう。確かめたわけではないが、九州自動車道の利用者も減ってるんじゃないだろうか。クルマで何時間もかけて行くよりも新幹線で行く方が楽に決まっている。
しかし、この一日9000人という利用者数で果たして九州新幹線はどれほど儲かるのか。オレはそれが知りたいのである。9000人に新八代−鹿児島中央間の運賃5330円を掛けたら4797万円、これに365を掛けると年間175億円の売り上げになる。建設費は6400億円掛かったわけでなんと36年分の売り上げに相当することになる。これでは建設費を償還するのは無理だ。売り上げを全部つぎ込んでもやっと金利分が払えるくらいにしかならないのである。まだまだ前途は厳しいのである。ここは思い切って福岡県民に月に一回しろくまを食うことを義務づけるなどの利用促進策が望まれるのである。あるいは鹿児島県民は月に一回博多にラーメンを食いに行くでもいい。そうしないと新幹線は維持できないのである。
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