2004年09月10日(金) |
京都・究極のデートスポット教えます! |
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オレは大学の四年間を京都で過ごした。だからとりあえずオレにとってデートの場所として地の利のある場所と言えば断然京都である。やっと車が入れる小さな路地もマニアックな喫茶店も、目立たないところにあるラブホテル街のクルマでの進入の仕方も、すべてオレの頭には入っている。京都でなら天下無敵の史上最強のデートプランを組み立てることができるのだ。
デートの目的と言えばやはり、少しでも親しくなることである。手をつなぐこと、キスすること、抱き合うこと、一緒にお泊まりすること、そうした一歩一歩のステップを着実に登っていくためにこそ毎回毎回のデートは存在するのである。会ったその日に全部のステップを終えてしまうようなせっかちな野郎はオレには理解不能だ。そんな無粋な野郎は馬に蹴られて死んでくれとオレは思っている。2ちゃんねるで有名になったあの電車男のように、少しずつ親しさが増していくからこそ恋愛はワクワクするものなのである。
そんなふうに恋愛の王道を知るオレがお薦めの、必ず二人が急激に親しくなれる究極のデートスポットが京都には存在する。ここまで書くと、少し京都に詳しい人は「ははーん、それは地主神社だろう」と、有名な縁結びの神様を思い浮かべるだろう。休日ともなると地主神社はモテそうもない女性で埋め尽くされ、目をつぶって手探りで恋占いの石に触れるために女たちが順番を待っている。そんな場所でデートをしたら、まわりの醜悪なカップルを見て却って自己嫌悪に陥るだけだ。
清水寺には、もっと確実に二人を親しくする場所がある。それは山門を越えてすぐ、拝観入り口の手前左側の建物にある「胎内めぐり」である。わずか100円の料金を払って、真っ暗な床下に階段を降りていく。一寸先も見えない真の闇の中ではおたがいにしっかり手をつなぐしかない。子供だましのお化け屋敷よりも、闇の恐怖ははるかにまさるのである。
暗闇の中で曲がっている通路を歩くには、手探りで一歩ずつ進むしかない。うっかりお互いの顔がぶつかりあったり、唇が触れあうなどのアクシデントの可能性もある。(それはかえって嬉しい)入る前に片目をつぶって闇に慣らしておいて、自分だけはかすかに相手が見えるようにしておくという姑息な手段を使えば、この偶然キスは容易に発生させられるイベントだろう。
闇の通路の長さはわずかしかない。普通に歩けばものの2、3分で出てしまう。しかし、この甘美な暗闇から急いで出る必要は全くないのである。次の客が入ってきてじゃまされるまではたっぷり闇を味わえばいいのである。これぞ究極のデートスポットである。その気のない女性は絶対に胎内めぐりなどしてはならないのである。暗闇で男に何をされるかわからないのである。
胎内めぐりは究極のセクハラスポットでもあったのである。
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