江草 乗の言いたい放題
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2004年05月12日(水) 「民族浄化」っていったい何だ?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 スーダン西部で続く政府軍と反政府勢力との内戦で、政府軍の支援を受けたアラブ人民兵によるアフリカ系住民の組織的な虐殺やレイプが続発している。国連人権調査団の報告書によれば、焼き討ちなどで130万人が家を失い、11万の難民が隣接するチャド東部へ流入しているという。

 アラブ人民兵は「ジャンジャウィード」と呼ばれる武装した遊牧民で、馬やラクダに乗って黒人住民が住む村々を襲撃し、家を焼いたり財産や家畜を略奪しているという。国連難民高等弁務官事務所のリノ・ボーディン現地副代表は「組織的な民族浄化が行われている」と述べて国際社会の支援を訴えた。

 この「民族浄化」とは、複数の民族集団が共存する地域において一つの(通常は多数派の)民族集団が他の少数民族集団を同化・強制移住、また大量虐殺によって抑圧する行為のことで、エスニック-クレンジング( Ethnic Cleansing )の訳語である。この言葉が最初に用いられたのは1990年代前半のボスニア内戦で、侵略者とされたセルビアを非難するための語としてアメリカの広告会社が造語したものであり、その後メディアを通じて広く用いられるようになった。巧妙にヨーロッパの世論を味方に付けたこの情報戦略はやがてNATO軍による「コソボ空爆」へとつながっていくのである。

 リノ・ボーディン副代表は「スーダン西部の状況は世界最悪、多数の難民が水も食べ物もない状態でチャドに逃げ込んでいる。民兵の襲撃を恐れ、帰りたくないとチャドへの定住を求めている。」と語っている。アラブ人民兵はチャド領内へも越境攻撃しているため、難民キャンプは国境から50キロ以上離れた場所に設置されている。

 さて、確かにアラブ人民兵によるアフリカ系住民への残虐行為は許されるべきではない。しかし、最初にこの「反政府ゲリラ」に武器を与えたのは誰なんだ?この不毛の殺し合いでいったい誰が得をするのか。武器を売って儲けている国はいったいどこなんだ。そして、他の民族を根絶やしにする行為がなぜ「浄化」なんだ。罪のない多くの命を奪い、てめえらの腐ったタネをレイプによってまき散らすことは「汚化」以外の何ものでもないだろう。ナチスによるユダヤ人虐殺という人類史上最悪の犯罪を経験していながら、人間は歴史から何も学んでいないのである。武器を輸出する人々の国はいつも安全で快適だ。今この瞬間にどこかで多くの血が流されていることに誰も気づいていない。


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