2004年03月29日(月) |
もしもハルウララが勝っていたら |
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3月22日、武豊が騎乗してもやはり勝てずに106連敗を喫したハルウララだが、このレースは全国発売され、売り上げ約8億69000万円。ハルウララの単勝馬券は1.8倍の一番人気だったという。場外発売された川崎競馬場にも通常の2倍以上の約8000人が押し寄せ、売り上げはハルウララの出走したレースだけで約2500万円を記録した。Tシャツなど関連グッズも販売され、ハルウララの毛が入った「いくら走っても当たらない」交通安全のお守りは、1時間で200個が売り切れた。
地方公営ギャンブルがどこも巨額の赤字を抱えており、遠からず高知競馬も廃止の運命にあることを思えば、このハルウララフィーバーも最後のあだ花のような気がする。ただオレが秘かに期待するのは、もしもハルウララが勝った場合にもたらされる莫大な収入である。競馬の場合売り上げから25%が控除されて残り75%が払戻金になるわけで、8億6900万円の売り上げがあっても利益は2億1725万しかない。
ところがハルウララが勝った場合、その貴重な馬券を購入した人が果たして配当金と引き替えたかということである。先日のレースの場合は配当はわずか1.8倍だ。1000円分勝っていたとしても、それを1800円に換えてしまうことよりも、ハルウララが勝った唯一のレースという貴重な馬券は手元に置いて宝物にするような気がする。購入者のほぼ全員がそのように考えるだろう。まさかハルウララの馬券を100万も1000万も買ってるような馬鹿がこの世に存在するとは思えない。ほとんどの投票は100円や1000円という泡沫投票なのである。別に引き替えなくてもたいした損害ではないのだ。
かくして高知競馬には8億6900万円の売り上げがそっくりそのまま利益としてもたらされることとなる。もしかしたら一年分の利益に相当したかも知れないのだ。だからなおのこと、武豊には勝って欲しかったのである。不世出の天才ジョッキーである彼の騎乗でさえも勝てなかったということは、高知競馬は売り上げ≒利益というこの奇跡のチャンスをほぼ永久に失ったのである。
さて、オレがもしもそのレースで利益を得ようとするならば、本来勝つ可能性が高いのにハルウララ人気のおかげで意外な高配当になっている他の馬の馬券を買うに決まっている。結果的にハルウララ人気はそうした「金儲けをしたい」まともな競馬ファンにとっても大きなチャンスだったのである。あれほど盛り上がったのに1番人気のハルウララ単勝が1.8倍程度だったのは、まともな競馬ファンもかなり存在したということである。
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