2004年02月19日(木) |
またまた遊園地がつぶれるのだ |
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大阪市の土地信託事業の複合型レジャー施設、フェスティバルゲートがついに廃園の見通しとなった。大阪市が所有していた市電の車庫跡地を有効利用しようとした計画は見事に破綻したのである。
オレはこのフェスティバルゲートが開業間もない頃に何度か出かけたことがある。海底に沈んだ古代都市をモチーフにしたアミューズメントスポットという触れ込みでシースルーのエレベーターや波のオブジェ等、ここそこに楽しい演出がある凝った造りだった。人気のデルピス・ザ・コースターに乗れば地上約45mの高さから時速100kmで急降下されてかなり怖かったし、建物にぶつかりそうになる迫力満点のコースは心臓が止まりそうだった。一回700円の料金もまたオレの懐を痛打した。ディズニーランドのような乗り放題のパスポートもなかったので、たくさん乗ればかなりの出費になってしまったのである。
ただ、その時にオレが不審に思ったのはやたら警備員が多く、ヒマそうにあちこちで警備員同士が談笑したり、来場者の女の子をナンパしていることだった。オレの予想は的中して初年度からいきなりの大赤字。その主原因は案の定、予測の三倍もかかってしまった清掃費や警備費だったのである。あんなちゃちな遊園地で一日あたり600万円もかかるはずがない。仕事を請け負っていたのはとんでもないぼったくり悪徳業者だったのである。
3セクの殿様商法はそのからくりに気づかぬままずさんな運営での赤字を積み重ねた。収入も開業の年だけは10億円近くあったが、どんどん減少し続け、2003年度はおそらく2億円もないのではないだろうか。入場者が減ると飲食テナントもどんどん撤退していくという悪循環でさびれる一方であった。
実はこのフェスティバルゲートのお隣にスパワールドという民間の施設がある。こちらは巨大な温泉公衆浴場なんだがかなり人気があって、しっかりと黒字である。リピーターを増やすためのさまざまな企画も盛りだくさんで、何も工夫がなかったフェスティバルゲートとは大違いである。オレがもしも経営者だったら大道芸人やストリートミュージシャンが集まる広場を作ろうとしただろう。残念ながらフェスゲではそうした人々をホームレスと一緒に排除していたのである。本当に救いようのない馬鹿である。
人さえ集まれば必ず活気が生まれる。リピーター獲得のためにはどうすればよかったのか。無策のまま給料だけをもらい続けた市から出向の馬鹿経営陣は、お隣のスパワールドで三助でもさせてもらいながら商売を一から勉強し直すべきだっただろう。せめて廃園までの最後の期間、すべての乗り物を無料にして市民に開放し、遊園地ににぎわいを取り戻して欲しいものである。
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