2003年12月01日(月) |
インド人のカレー屋にぼったくられた話 |
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オレはかなりカレーが好きである。もう20年以上も前のことだが、当時の大学生協の食堂では確かカレーライスが140円くらいで食えた。しかしそれは「とりあえずカレーの色をしている」というだけの悲惨な食い物だった。仕方なくウスターソースを上からぶっかけて食べていたのだ。
もう少しマシなカレーを喰いたかったら生協の喫茶部に行けばよかった。そこでは240円でちゃんと辛さのあるカレー(ソースをかけなくても喰えるカレー)が提供されていたのである。しかしその味は、下宿に帰って自分で作ったハウスジャワカレーと比べても勝てない程度の情けない味だったのだ。
そんなオレにとって、短い昼休みに自転車で数分南下して大学の付属病院の前にあるビイヤントというカレー屋まで遠征し、その店で400円のカレーを喰うことは大変な贅沢だったのである。それは強烈に辛く、オレの胃を心地よく刺激してくれたのである。量もたっぷりあって、オレは十分に満足していた。
学食でみそ汁が10円、ラーメンが130円で食えた時代の400円である。国立大学の学費が年間144000円だった時代である。現代の物価に換算したら1200円以上の感覚である。その高価なカレーを貧乏学生のオレは週に一度しか食べられなかったのである。もしも毎日喰えればどれほど幸福だったことだろうか。今でも京都に出かけたらついついその店に寄ってしまう。さすがに値段は700円になったが、たった700円でこんなうまいカレーが喰えるのだから文句はない。
つい先日のことだが、オレは同僚に誘われて昼飯を喰いにあるカレー屋に出かけた。インド人らしき人が本場のカレーを出してくれるという触れ込みの店である。そこでメニューをみてびっくりした。あまりにも高いのだ。しかもオレの喰いたいビーフカレーがないのである。チキンかポークかシーフードかベジタブルなのである。カレーに豚肉を入れるような貧乏くさいことを関西人はしないのだ。関西では肉といえばすなわち牛肉であり、それ以外のものは肉ではなくて豚でありかしわなのだ。いくらインド人が牛を喰わないといってもそれはインドでのことであり、大阪に来れば大阪の習慣に従って欲しいのである。ヒンズー教の教えなど関西人には関係ないのである。
出てきたカレーを見てさらに驚いた。量が少なすぎるのである。食べてみたところなんの変哲もないふつうのカレーだった。お歳暮でもらった缶詰のカレーを解凍した程度の味である。そんなカレーライスにオレは1250円も払ったのである。ぼったくりである。もう二度と行かないのである。
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