2003年10月04日(土) |
死んでも就職したくない会社 |
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就職先を選ぶとき、人は何をもっとも重視するのだろうか。
実はこのオレも、今を去ること20年以上も前の大学4回生のときは、人並みに会社訪問をし就職活動をしていたのである。当時は10月1日が会社訪問の解禁日だった。さて、文学部の学生だったオレは、大学の掲示板に貼られた求人表の中に「増進会出版社」(Z会)があることを見つけた。なんと年間の賞与が12ヶ月分とある。オレはその高給に惹かれ、交通費も出してもらえたので大喜びで三島市まで出かけたのである。
指定された日は会社訪問解禁日の2週間ほど前だった。フライングというかルール違反だったのである。受付の横にあった部屋には、私同様に面接に来た首都圏の女子大生の美女が5人いた。さっそく彼女たちの出身大学を聞き出すと、お茶の水女子大、津田塾大、早稲田大などだった。同時入社がこの美女たちならそれだけで十分に自分はその会社を選ぶ理由が存在するような気がした。
さて、就職にあたって私がもっとも重視した条件は何か?それは休みである。しかし、提示された答えは私の期待を裏切るモノだった。初年度の有給休暇はせいぜい3、4日、夏休みや冬休みという長期休暇はなしだったのである。いくら給料がよくても、それでは全く稼いだカネを使えないじゃないか。京都で暮らしていたオレにとって、三島という街はものすごい田舎だった。その田舎で働くにはそれなりの魅力がないとだめだ。オレにとって、「休みが少ない」ということは、いくら高給をもらって美女に囲まれていても全く意味のないことだったのである。
京都にそのまま帰るのもばかばかしく、オレはその足で東京に向かい、高輪の友人宅に居候しながら毎晩飲んだり騒いだり、時には信州まで旅行したりして過ごし、10月1日の解禁日を迎えたのである。これでは東京まで遊びに行ったのか会社訪問に行ったのかわからないのである。あれから20年以上たった。今の自分なら迷わずゼニと美女を選んだだろう。人は変わるのである。
さて、中国での買春社員旅行スキャンダルで外交問題にまでなってしまった大阪のリフォーム会社「幸輝」だが、ネットで検索したところ、社員の福利厚生に力を入れていて、慰安旅行や表彰旅行の存在を売り物にしていたことがわかった。つまり、今回報道された買春旅行は社員の福利厚生事業(ごほうび)だったのである。中国に買春旅行に連れて行ってもらえるということを、会社選びの決め手にするような大学生は果たして存在するのだろうか。
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