2003年07月23日(水) |
人間よ、無駄な抵抗はよせ |
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集中豪雨で九州地方に大きな被害が出ている。だからといって、このような被害が二度と出ないように治水工事をしっかりと・・・とどこかの政治家が土建屋と結託して主張しそうだが、オレに言わせれば「無駄な抵抗はよせ!」である。そもそも土石流の勢いを食い止めることなど人間の力では無理なのだ。もはや逃げるしかないのだ。危険箇所にはセンサーを埋め込んだり監視カメラで撮影したりして、異常があればすぐに避難できるようにすることしか人間にはできないということを肝に銘じて、大自然には逆らわないということを再確認すべきだろう。
オレがまだ大学生だった頃、オレの生まれ育った街は大水害に見舞われて市の半分近くが水没した。たまたま高台にあったオレの実家は無事だったが、旅先のテレビに写った水浸しの街の姿に仰天して、慌てて電話を掛けたもののの不通、しばらくは心配でメシも食えなかったことを思い出す。
市の中心を流れる川はその後大きな改修工事が行われ、土手に沿って植えられていた桜並木は完全に切り倒されて、河床は全面コンクリートで固められ、川は巨大な下水溝となってしまった。しかし、洪水の原因は本流である大和川の増水した水が支流に一気に流れ込んで逆流したことであり、改修工事自体が洪水の原因と無関係な無意味なモノであった。実際の所、合流部分の堰を適切に操作すれば防ぐことのできた人災としか思えなかったのである。
その後、被害にあった人々が一級河川を管理するはずの建設省から補償を受けたという話は全く聞かない。天災ということでごまかされてしまったのだろう。ただ、オレに言わせれば人が死んだわけでもなく、発生したのは単なる財産的な被害である。堤防が切れたら家ごと流されるようなところはどうせ地価も安いはずである。納めている固定資産税も当然安いのである。それがわかってるからオレはそんな場所には住みたくないのである。
これから自分の家を新たに建てるとしたら、洪水の危険の有無だけでなく、古地図を取り寄せて過去の経緯をしらべ、周囲の住民に危険なヤツや刃物を持って徘徊するヤツはいないか十分に聞き込み調査を行い、騒音などの被害の可能性もチェックしてから家を手に入れるだろう。安全快適に暮らすのもなかなか大変なのである。
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