2003年05月21日(水) |
ソーテック、安売りパソコンの悲劇 |
携帯用URL
| |
|
安売りパソコンで市場を席巻したあのソーテックが危機に立たされている。他社が同じ程度の性能のマシンを20万で出しているときに、ソーテックは平気で12万で出してくれたのである。「自分で組み立てれば安い」という常識をぶちこわし、「自分で組み立ててもこんな値段は無理だ!」というパソコンでオレたちを驚かせてくれたのである。
そのソーテックが今、未曾有の危機に立たされている。2002年3月期決算において、売上高で前年比48.2%減の436億6,100万円、営業損益でマイナス51億4,100万円、経常損益でマイナス43億4,700万円、当期純損益でマイナス47億2,000万円という最悪の決算内容に落ち込んでいるのである。主力のデスクトップパソコンは、254,500台(前年比47.8%減)、309億4,200万円(同52.3%減)と大幅な落ち込みを見せた。ノートパソコンをあわせた合計でも、348,800台(同44.2%減)、430億2,900万円(同48.9%減)となっている。売上高が半減して果たして生き残れるのか?オレには信じられないのである。NECやSONYも確かに売り上げは減少しているが、ここまでひどくはない。
パソコンの普及が飽和状態を迎えた時に、一番売れなくなるのはどんなパソコンか?ソーテックの経営陣はそうした読みが甘かったのだとオレは判断している。「安売り」=「劣った商品」であるという固定観念から一般大衆はなかなか抜けられない。パソコンの中味のパーツなんてみんな同じで、違うのは入れ物のデザインくらいだという事実がわかっていないのだ。安いパソコンは故障が多いと信じている保守的な方が多いのだ。そんなことは断じてない。故障というのはどんなパソコンの上にも平等に降り注ぐものであって、高価だから逃れられるというものでもないのだ。
昨日まで動いていたパソコンがある日突然起動しなくなったり、ハードディスクが突如クラッシュしてデータが全滅したりという神の悪ふざけでどれほど多くの人が日夜泣いていることだろう。高性能なパソコンが一台よりも、普通の性能が二台ある方が仕事には役立つ。ソーテックはその事実をこそアピールするべきだったのだよ。「一台買うともう一台おまけについてきます!」と。
前の日記 後の日記