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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2005年01月17日(月)
あの日の長電話


 毎年、1月17日の日記はどういうことあがろうが、この事を書くようにしている。そう、阪神大震災。もう10年、いやまだ10年。

 当時私は大学1年生だった。野球サークルのマネージャーをしていて、連絡事項を部員に電話する役割があった。2月頃だったかな。いつも通り部員に連絡を回していたのだけど、1人どうしてもつながらない人がいた。神戸から来ている同回生で、他の部員に聞くと、今は和歌山にいるとのこと。親族がいるらしい。その後、彼から電話がかかってきたのか、私からかけたのかははっきり覚えてないけど、電話で話した。当時はまだ携帯電話を持っていなかったので、家の電話。

 連絡事項だけ伝えればよかったし、普段私は部員と親しく話す間柄ではなかった。でも、そのときだけは何故か電話を切りづらかった。あっちにもそういう空気があった。震災で家が半壊し、すごく怖い思いをしたこと。いつ地元に戻れるかわからないこと。地元の人の話を初めて聞いた私は、自分が思い、考え、人にしゃべっていたことがちゃちいおもちゃのように思えた。でも、話していると、心なしか彼の声が明るくなっていっているような気がした。

 そして、震災に関係ない話もした。彼の出身校は神戸にある星陵高校という学校。92年のドラフトで、松井秀喜選手が1位指名されたときに、画面に『松井秀喜(星陵高校)』を出ていた(これは私も覚えてる)ので、驚いたし笑えたって言っていたっけ?気付いたら4時間も話していた。なんでそんなに話すことがあったのが、未だにわからない。「もう話すことないわ」そう言ったのは、彼の方だった。電話を切った。

 4月。サークルには彼の姿があった。長電話でたくさん話したのだから、これをきっかけに親しくなってもよさそうなものだが、不思議と私も彼もあの日のことはなかったかのように振る舞っていた。今でも、あれは現実だったのか?と思ってしまうときすらがある。