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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2004年09月01日(水)
1日目:稚内


 初の北海道。最北端まで一気に飛んだ。飛行機の窓から見る景色は、完全に異国。晴れていたので、視界良好。草原きれい。空港からバスに乗って市街地へ。当日は、台風の16号の終わりかけ。奄美大島→地元→北海道と、この頃の私は台風を追いかけているのかようだ。風がきつく、一山単位で揺れる草。木が多い山の景色に慣れている私には、ちょっとした驚きだった。そして、海。台風の影響か、間にの先っぽ陸に近い部分が泥っぽい色になっていた。喜界島で見たほどではないが、波もきつい。

 最初の訪問地は、宗谷岬。地元の人に、「宗谷岬に行きたいのですが、どのバスに乗ればいいのですか?」と聞くと、「大岬はねえ」と言って教えてくれたが、大岬と宗谷岬が同じものなのかどうかわからないから不安だった。地元ではそう呼んでいるのかな?バスで隣り合わせたおばちゃんが、「今日はしけてるねえ。台風だからね。こんな天気じゃ、昆布も取れないんだよ」と教えてくれた。泥色なんていってすみません。昆布色ですね。海を見ていると、所々で昆布が打ち上げられていた。降りる停留所は、「宗谷岬」。地元に人が降りる駅は、「宗谷」。紛らわしいけど、案内があるので大丈夫。

 平日だし、9月だし、人はそれほどいないだろうと侮っていたけど、昼ご飯を食べた食堂では席を探すのに苦労した。有名な店なのか、サインがたくさん飾ってあった。「最北端ラーメン」「最北端カレー」などメニューには、最北端という文字が目立つ。ここらで取れた魚介類が入っているみたいだけど、やたら高い。カレーは900円ほどした。メインはラーメンで、ホタテやカニなどがふんだんに入っている豪華なもの(1300円くらい)。殻関係がめんどくさかったのと、いくらが嫌いなのでパスしたけど、これを食べてる人が全体の7割くらいいた。ただ私の座ったテーブルは、大きな蝿がようけいてやっかいだった。ここは東南アジアかっ!

 腹ごしらえをしたところで、メインの最北端の地のモニュメント前へ。数人の旅行者が写真を撮っていた。うろうろしたかったが、なんせ風がすごい。飛ばさせそうだった。良く揺れる波にもめげずに毛繕いをする鳥を見てから、再びバス停へ。滞在時間30分弱。まもなく、大型バスで団体さんが押し掛けてきた。帰りのバスでは、眠ってしまった。

 再び市街地に戻って、今度は稚内大谷高校へ。街の景色を見ながら、てくてく歩き。途中で、オツというか雰囲気のある野球場を見つけた。緑のペンキで塗られた木片で囲まれていて、規模は小さめ。それでも、ネット裏やスコアボード、ベンチやスタンドがあった。グラウンドは端から端までみっちり黒土。周りに茂っていた木は、風に吹かれて白い葉裏を見せていた。風が吹いていないと別の木だと思うくらい葉の表裏の色が違う。

 駅前から20分ほど歩いた。緩やかな坂を上って、学校が見えてきたころ、学校とは反対の方向から、カキーン!と聞こえてきた。音の方向にも向かった。すると、古い球場があった。地図と照らし合わせてみると、おそらく稚内市営球場だと思うが、野球部はそこで練習していた。私は、ネット裏の石段に腰掛けた。グラウンドでは、フリーバッティング、続けて連係プレイの練習が行われていた。そして、ピッチャー陣が球場の周りを走っていた。私の前も通り過ぎていった。しばらくすると、レフト後方でストレッチ。グラウンドで野手の練習を見ていた指導者が突然、「足をもっときちんと伸ばせ」と叫んだ。選手は、それが自分たちに向けられた言葉だと理解するのに、少し時間がかかった。指導者の視野の広さにはいつも驚かされる。球場には、近所のおじさんが犬の散歩に来ていたり、学校帰りの小学生が通り抜けの道として使っていた。でも、段々日も暮れ始め、風もきつくなってきた。寒い。周りには民家があって、僻地というわけでもないのに、なんかとんでもなく遠く孤立した場所に来てしまったような感覚に襲われた。帰り道はあるんだろうか、みたいな。それは、野球を見るときに感じる疎外感とはまた違う感情だった。

 知らない街なので、暗くなるまでに帰ろうと、6時過ぎにグラウンドを後にした。いきしな見かけた球場では、少年野球の練習が行われていた。私が足を止めたときに、ちょうど照明灯がついた。オレンジ色だった。グラウンドの中には、男の子だけではなく、女の子もいた。指導者がどんな言葉を使うのか興味があったので、少し練習をのぞいたみた。言葉は、高校生のそれとほとんど変わりなかった。もっと子どもに合わせた言葉を選ぶと思っていたのだけど。

 南稚内駅から電車に乗った。すでに人はいなかった。夏だというのにストーブがあった。ドアを開けて駅のホームに出ると、駅員さんがいた。乗車位置を教えてくれた。終点の稚内駅から徒歩3分程度で今日の宿がある。夕ご飯を食べるのを忘れていた。散歩がてらに駅前のコンビニへ。道路標識や商店街のアーケードには、記号のような言葉が書かれていた。アイヌ語かな?(後日、ロシア語だと知る)思えば遠くに来たもんだ。