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| 2004年03月20日(土) ■ |
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| “ありえないッスよ…” |
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外野にフェンスのないグランド。ベンチに座って観戦していると、左中間の打球が飛んできた。大きな当たりだ。勢いがあまりにリアルで身動きが取れない。そんな私におかまいなく、ボールはワンバウンドし、私が座っていたベンチよりもう一つ後ろのベンチの下まで転がっていった。センターとライトが打球を追って、すぐ側までやってきた。打球を処理したのはセンター。送球するときの息づかいと、シューというボールの音が聞こえた。
試合は、1点リードで迎えた9回表だった。すでにランナーが三塁にいたので、センターが送球した地点で同点に追いつかれていた。カバーに入っていたライトは、ベンチとグランドの間にある芝生の生えた斜面の中腹に立っていて、センターはすでにグランドの砂の上に降りていた。2人とも試合展開の変わったダイアモンドを見つめていた。バッターランナーは三塁ベースに到達していた。
そのあと2人はお互いを見た。ライトはこのイニングの頭から変わった下級生。「ありえないッスよ…」、ぼそっと呟いた。それを聞いたセンターの上級生は、小さく笑った、ような気がした。
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