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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年10月19日(土) ■
松井秀喜選手のメジャー行きを祝うシリーズ�◆屮曄璽爛薀鵐�ード」(11月1日分追記)


 私は自分が思っている以上に松井選手のファンだったようで、90年代初頭につけていた日記を読み返すと、彼に関する記述をときどき見かける。「松井くん初打席」とか「松井くんがHRを打った」とか。そんな私は、松井選手がHRを打つたびに発行されるホームランカードを集めていた。

 カードは、表はホームランを打ったときの写真、裏はそのHRにまつわるデータ(打った相手や飛距離、本人のコメント等)で構成されていた。我ながら熱心に集めていた。手続きをするために郵便局に足を運んでいたのだが、たまたま隣にいたおばあちゃんも同じことをしていたのにはびっくりした。

 ところが、ふとした拍子にホームランカードコレクションを止めてしまった。手続きがややこしくなったのもあるのだが、「そういや、うち、阪神ファンなんや」という自我に目覚めたからだ。でも、それまで集めていたカードは捨てられずにいた。いやらしい話、後々プレミアがついて…などともくろんでいた節もある。

 それから、数年が経った。カードなど机の奥で忘れ去られていたある日、某野球雑誌の読者コーナーに掲載されていた『松井選手のホームランカードを譲ってください』の文字が目に入った。

 詳しく読んでみると、投稿者は、九州在住の巨人ファンのおじいさん。孫のために松井選手のホームランカードを集めているのだが、31号以前のカードが手に入らないとのこと。このカードは店頭には置いていない限定品なので、すでに発行済みのカードは持っている人から譲ってもらうことでしか手に入らないのだ。

 この投稿に私は運命めいたものを感じた。私が持っているカードは、31号までだったのだ。なんいう偶然。きっと私は、このおじいちゃんと孫のためにカードを集めていたのではないかとすら思った。私は即座に机の奥からホームランカードを引っ張り出し、すぐに郵送した。

 数日後、1通の封書が送られてきた。件の投稿者からだった。年輩の男性らしい毛筆で、恐縮するほどの堅苦しい言葉で喜びが綴られていた。松井選手がバットを置くその日までカードをそろえ続け、大切に保存していくとのこと。私は金銭トラブルを避けたかったので、お金はいらないと書いたのだが、封書の中には、福沢諭吉さんが入っていた。これには本当に参ったが、給料日前の行き詰まった財布事情のため、遠慮なく頂戴することにした(おい、こら)。

 松井選手の大リーグ行きを聞いたとき、ふとこのおじいさんと孫のことを思った。おじいさんはご在命だろうか、当時野球を始めたばかりという孫はまだ続けているのだろうか。メジャーリーグでも彼のホームランカードが発行されればいいのになと思う。