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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年12月26日(水)
終身名誉監督という肩書き。

 今季限りで、巨人の監督を辞任した長嶋茂雄氏の今の肩書きは「終身名誉監督」である。周知の事実だろう。

 最初にこれを聞いたとき、私は、「球団もいい加減長嶋さんを縛りつけるの、止めたら?」と思った。長嶋氏は、日本プロ野球史上最高のカリスマの持ち主だ。実力があるのはもちろんのこと、野球の魅力を最大限に伝えることの出来る人物だと人は言う。だから、球団が離したくないだろう。

 「親のすねをかじって」という言葉があるが、この「終身名誉監督」という肩書きにそれを感じてしまうのは私だけだろうか。長嶋氏は、長年自チームだけではなく、球界全体のために貢献したと思う。だから、そろそろ解放してあげて、普通の一人の男性としての生活を味わわせてあげてもいいのでは?と思った。

 しかし、はたと思う。
 長嶋氏は、以前トーク番組で、「家族よりファンが大事」と言っていた。(「ファンのために」という言葉が、嫌味にならない人も珍しい)
 
 ということは、解放して一男性となるより、終身名誉監督というともすれば球団のご都合主義的な肩書きをもってして、ファンのために球界にいて、プロ野球に携われる方がいいのだろうか。

 長嶋氏の本当の気持ちってどこにあるのだろう。深く考えていない(失礼?)人か、自分のことより人のことを優先するものすごく気を遣っている人なのだと私は思うのだが。

 小学1年生のとき、担任の先生に「人の気持ちを自分の気持ちになって考えなさい」と言われた。簡単に言えば、自分がされてイヤなことは人にしないということなのだが、年が経つにつれ、本当は「人の気持ちをその人の気持ちになって考えることなのではないか」と思うようになった。

 当たり前なのだが、自分がイヤだと思っていることが、その人にとってイヤなことだとは限らない。だから、今回の終身名誉監督について、私ごときがとやかく言うこと自体おかしいのかもしれない。

 だから、こう言い換えたい。
 「球団もいい加減、長嶋さんに甘えるの、止めたら?」。