初日 最新 目次 MAIL HOME


あるこのつれづれ野球日記
あるこ
MAIL
HOME

2001年12月24日(月)
北京で見つけた高校球児?!

 
 野球日記を始めて9ヶ月、ホームページを開設して半年が経つ。それほど多くはないけれど、熱心で気持ちのこもったメールや書き込みをいただくたびに、「ああ、やっててよかったなあ」と思うし、また教えていただいたことも多い。

 高校野球を中心にあつかっているとあって、その多くは高校野球ファンの方で、その中でも驚くことに「元高校球児」の方の占める割合が多い。とても嬉しいことなのでが、いいのかなあと思ってしまう。私にとって、スター的存在の選手であろうが、名もなき高校の背番号のない選手であろうが、高校球児は芸能人と同じくらい遠く憧れの存在だからだ。

 OBの方なので、まだコミュニケーションもとれるのだが、現役の球児とかならきっと何言っていいかわからなくなるだろうな、と思う。今でも、用事があって現役選手に話かけなければならないときは敬語を使う。もう10近くも年が違うのだから、ため口でも誰からもとがめられないのだが、どうも気軽に「○○くん」とか「グランドはどう行けばいいの?」という口の利き方は出来ない。(まだ一般に携帯電話が普及してなかったころ、父兄さんに試合日程を聞くために電話をしていて、うっかり選手本人と話していたという肝を冷やすような経験をした(^_^))


 今日、クリスマスイブの人混みの中、地元の京都文化博物館に足を運んだ。来月6日まで開催されている「チベット仏教美術展」が目当て。私が自発的に博物館に行くのは、おそらくこれが生まれて初めてだと思う。私は動かないものにあまり興味がないし、芸術を理解する心を持ち合わせていないからだ。そんな私が何故今になって「博物館」なのか。話すとちょっと長くなる。

 学生時代に友人とミャンマーに行ったという話を以前の日記に書いたが、実はその2年前には中国に行っている。初めての海外個人旅行だった。北京と上海という超メジャー都市を回ったに過ぎなかったが、それなりに楽しい旅行だった。観光コースは中国好きの友人に任せ、私は後ろを付いていくだけだったのだが、印象に残った観光スポットの一つにチベット仏教の寺がある(名前をど忘れ(^^;))。

 私は大学時代、仏教を専攻していたが、特に仏教に興味があったわけではない。自分の成績と学科別偏差値を見比べて、第一志望の教育心理学科よりも合格の確率が高かったので、願書出願締め切り2日前の土壇場で変更したのだ。入学して仏教の講義を聴いていたが、特に楽しいと思うことはなかった。私は漢文が大の苦手だったし、他の一般教養の方がよほど面白かった。きっと、仏教を身近に感じることがなかったのと、暗いイメージしかなかったのがある。多くの一般の方が仏教に対して持つイメージと言えば、「お坊さん」「お経」「お葬式」の3つがメインだろうし、実際当初の私がそうだった。

 そんな私の意識を覆してくれたのが、このチベット仏教の寺だった。とにかく、寺の装飾が明るい。ややも蛍光に近いピンクや赤や緑の華やかなリボンや造花が目にまぶしい。いろんなものが印象的だったのだが、一番の衝撃は現地にいた若い僧如だった。灰色の袈裟を着た彼らは丸坊主で、とても凛々しい目をしていた。仏壇に線香をあげると、合掌して、一礼してくれた。そんな彼らの姿に日焼けした高校球児を思った。

 寺に入っている僧は、教えにそった規律正しい精進の生活を送っている。立場や意図は違うが、目標に向かって毎日練習に励んでいる高校球児も厳しさの中で生きているのは同じだ。

 別に丸坊主がかっこいいとかそういうことを言う気は更々ない。ただ、高校球児の魅力の一つは、厳しさの中にいるが故の顔のひきしまりや凛々しい目にあるんじゃないかなあと思った。

 というわけで、私が博物館に足を運んでのは、北京で見つけた高校球児の面影故のことだった。残念ながら、その時見たイメージとはかけ離れた色あせた絵画ばかりが並んでいたが、写真で見たチベットの色あせた自然には心惹かれた。寺の装飾がやたら派手だったのがなんとなくわかる。