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2001年04月11日(水) ■ |
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メガフォンをぶっ壊せ! |
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少し遅い夕食を摂っていると、相方から電話が入った。受話器の向こうからは激しいメガフォンの音と坪井の応援歌を歌う低い声。相方は頼みのもしないのに、実況中継を始めた。きっと一人観戦が淋しいのだろう。しゃあない、つき合ってあげよう。結局、阪神は負けた。彼は「腹立ぅ〜」とぼやきながら、メガフォンをどこかにたたきつけていた。「そんなに叩いたら壊れるで」と言ったら、「ええねん、メガフォンなんて壊れてなんぼや」という投げやりな返答。
私は大学時代、「親虎会」という素敵なネーミングのサークルに入っていた。名前の通り、阪神タイガースを応援するサークルである。学校より甲子園に行く回数の方が多い連中の集まり。夏には遠征と称して、東京ドームや広島市民球場に出向いた。
ここの人たちは、とにかくメガフォンをよく叩く叩く…。暗黙の了解で、メガフォンを壊した数と速さが応援熱心度をはかるバロメーターのなっていた。ある人は、3回表で矢泊も1つ目を壊し、2つ目も7回には壊れ、最後は空になったペットボトルにペンで「虎」と書き、それを叩いていた。私は女というハンデ故に先輩を超えることは出来なかったが、新品のメガフォンを1.5試合で壊したのが最高記録。(貴重なゴールドバージョンだったので、後で鬼ほど後悔する…。教訓:壊すメガフォンは選ぶべし)しかし、闇雲に叩けばいいっていうもんでもない。やはりある程度のたたきくなるような興奮を煽るプレーが欲しい。その場の雰囲気から浮いたメガフォンの音ほど恥ずかしくて虚しいものはない。
そういや、最近のメガフォンはなかなか壊れない。観戦回数がぐっと減ったのもあるが、メガフォン自体が丈夫なのだ。85年の日本一を知る人が言っていた。
「昔は生産が追いつかなくて、質が落ちてたからすぐ壊れたもんや。それに比べていまは、丈夫でなかなか壊れへん。全く、ええんか悪いんかわからんわ」
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