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2001年02月05日(月) ■ |
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東山高校硬式野球部関連コラム 「あの微笑みを忘れないで」 |
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3年生が最後の夏を終えたあと、真っ先に私たちに見せる表情について考えた。テレビで映る涙にくれる光景の印象が強く、高校野球の終わりはそういうものだと思いがちなのだが、実は、球場を一歩出た選手の涙はもうすでに乾き、明日へと向かっているように思う。
93年夏、太陽が丘球場で夏を終えた“彼”が見せたのは、笑顔だった。雨が上がった後にかかる虹のような、涙のあとの笑顔だった。強烈に印象に残っている。
彼は、控え選手として甲子園のベンチに入った。敗戦濃厚の終盤、代走として出場したが、夏はスタメン出場を果たしていた。きっと甲子園のスタメンを夢見て、大会に挑んだんだろうなと思った。
負けて笑ってるなんて不謹慎!だとは思わなかった。ただ今までいろんな人の笑顔を見てきたが、その中でも一番素敵な笑顔だなと思っただけ。個人的に彼のファンというわけでもなかった。
実は、彼とは出身中学が一緒で、同じクラスになったこともある。でも、話したことはない。
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