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2001年01月18日(木) ■ |
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追っかけ姉ちゃんの応援回顧録 「握手」 |
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応援史上初めて、遠征たるものに足を運んでみた。夏の甲子園が終わったばかりの8月下旬。ずっと行ってみたいと思ってはいたが、なんかやりすぎかなあと思って、なかなか踏ん切りがつかかなった。
この年は、のっけから「見に行きづらいなあ」と思って、応援熱はそれほど高くなかった。当時はもう就職するつもりだったので、「これで最初で最後や。父兄さんに気付かれないように、目立たないところにいればいいや。そうや、私は東山の試合ではなく、相手校のグランドを訪問するに過ぎないんだ」。一生懸命自分に言って聞かせて、早朝の電車に乗った。
ところが、私のことなんてご存じないと思っていた父兄さんたちが、「こんにちわ、遠くまでご苦労さん」と声をかけてくださったのだ。地元では声をかけてもらえることなんてほとんどなかったのに…。びっくりした。
遠征は、人と人との距離を近づける不思議なイベントだと思った。父兄さんの車に乗せてもらって、お昼をご一緒させてもらった。お話もたくさん出来たかのように思う。「これで最後」と思ってきた遠征なのに、ますますハマることになろうとは…。
帰り、車で来られていた父兄さんに近くの駅まで送っていただいた。降りしなに手を差し出された。「今日はありがとね」。私は、体のわりに大きく広いその手をぎゅっと握った。
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