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2001年01月07日(日) ■ |
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追っかけ姉ちゃんの応援回顧録 「不覚の一言」 |
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残念ながら近畿大会で敗れてしまった東山だが、私の中で、東山に対する興味はあの試合で倍増した。今まではともきちにつきあわされてというニアンスでグランドに足を運んでいた私だが、それからは同じ誘われるにしても、気持ちは積極的になった。
そして、その度に立ち寄っていたのが『るるぶ』。グランドに行く前に、ここで夕食や昼食、お茶をする。当時、ここの常連さんの一人に某父兄さんがいた。私たちがコーヒーを飲んでいると、マスターが紹介してくれた。「この人、○○(選手名)のお父さんやで」。カウンター席、2つほどあけて腰掛けておられた故横山やすし氏の面影が少しあるその父兄さんは、ちらっとこちらを見て会釈した。
初めて会う“選手の父兄さん”という存在。私もともきちも、「何か話さないと」とあわてて、持ち得ていたちっぽけな東山に対する知識を一生懸命探り当てた。近畿大会の話になった。現状では厳しいというころは、私たちもわかっていた。ちょっと重苦しい雰囲気になった。なんとか話を続けなければ。私の苦肉の策は…。
「どっかが不祥事でも起こしてくれたら、出れるんですかね」
!!! 言葉を発し終わる前に、“やばい”と思った。ずっと穏やかだった父兄さんの表情が一変したのだ。
「そんなこと言ったらあかん」。父兄さんは、厳しい表情をなさった。父親に叱られているような感覚だった。私は何も言えず、ただ体を小さくして、「すみません…」と言った。
父兄さんもあっさりした方で、頷いて見せると、それからは何事もなく話が進んでいった。それにしても、“知らない”とはなんと恐ろしいこと…。
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