2005年08月07日(日) 迷いなんてないぜ。全てぶつける!

彼女(キナコ)が付き合った日から、
行きたい行きたい言うてた、お祭りが今日あった。

当然行ったわけだが、
楽しかった。

ヤツのテンションにいつの間にか引きずり込まれて、
気づいたら、水風船?でパシャパシャ遊ぶ始末。

おいおい。俺もうすぐ23ですよふぁっきん。

しっかりしろもれ。

まぁ今日は色々ヤツのことを考えた。
すぐ泣くし、すぐ感動するし、すぐ笑う。

都会や海外育ちだけれども、
着付け、生け花、書道、茶道と、
何故かできる彼女。

でも、ほやほや〜っとしててぼーっとしてる。

でもね、今日、彼女の家にあがらせてもらって、
彼女の成長アルバム見てたんだ。

とっても愛されてるんだなぁって思った。

おじさんが写真好きだってのはあるにしろ、
あれはすごい。
そら三姉妹やからってのもあるやろうけれど、
愛されて育ってきたんだなってのが分かるアルバムだった。
おじさんの撮影技術もたいしたもんだし。


そのアルバムは今のところ5巻まである。
時間の都合で2巻までしか見れなかったのだが、

2巻の最後の方の写真はすさまじかった。

幼稚園?保育園あたりの写真でニコっと笑ってる写真。
可愛い。
変な顔の写真が多くて、おじさんの溺愛ぶりがわかるのだが、
あるページは、一枚の向日葵?の写真だった。

大きいアルバム、B3はあるだろうか。
その写真に右端に貼られた一枚の写真。

それはキナコが描いた一枚の絵。
そこからを境に、彼女の写真は変わった。

包帯でぐるぐる巻きになって育ってゆく彼女。

彼女は、全身やけどで、全表皮の70%がやけどしてしまった。
半分がやけど、むしろ30%以上いくと危ないと言われるやけど。
子どもで体力もないのに、生きた彼女。

そのやけただれて、どろどろの皮膚は、
見るも無残だった。

包帯でぐるぐる巻きになりながらも、
笑ってカメラにピースを向ける彼女。

本当に体がグルグル巻きなのだ。

生きミイラといっても過言ではない。


今も彼女の体にはその痕跡が残ってて、
一生消えることのないものもあるだろう。


おなかの部分は特に酷くて、
彼女が太ると、皮膚が伸びない為に、
痛いそうだ。

彼女が僕の前ではじめて、おなかを見せた日、
彼女はそれを必死に隠そうとした、
恥かしいのかなって思って、
僕は単純にそう思ってた。

出会ったのが夏で、遊びだしたのが冬だったから、
気にもとめなかった彼女の体のこと。
胸の開いた服を着た時に少し見えるくらいのやけどだと思っていた。

はじめて彼女のおなかを見たとき、
その焼けただれた姿に驚いた。
それに気付いた彼女は、
彼女は今にも泣き出しそうだった。

だけど、僕は、その彼女の姿がどうしようもなく愛しく思って、

迷わずにおなかにキスをした。

こんなにも小さくて、笑顔の溢れている彼女が、
こんなにも辛いことがあったのかと、
そう思うと、僕は自然にキスをしていた。

彼女の足がなくなろうが、目が潰れてしまおうが、
僕はアイツが好きなのだ。

一般生活の中で見えない部分が焼けどでただれている彼女。

僕と付き合おう、僕のことが好きだって思っている人に、

それを見られるという気持ちはどれだけ辛かっただろう。
嫌われるのも怖かったと思う。


だけどね、だけど、俺はお前が好きなの。
怖がる理由も、嫌うはずもない。


僕がおなかにキスをして、彼女は泣いた。
嬉しいって泣いた。
よくわからないけど、涙が止まらないと言っていた。

愛されるわけがないと思っていたのか。
そんなことはない。ここにいるよ。

いいじゃないか、何も悪くない。

お前は美しいって。

幼い彼女の写真を見てそんなことを思い出していた。

おかあさんの浴衣を着て、あでやかな彼女は
今日も可愛かった。

一時間もかけて結った髪とカンザシ。
その割に10分でできた着付け。

無邪気に寄り添うキミ。

俺にはそれ以上の幸せなんてみつけられないよ。


いいから。いいから。
ええやないか。

恥かしそうに、アルバムをしまうキミ。


俺はお前が愛しいです。


大丈夫大丈夫。
俺がもっともっとええ男になったらええだけや。
お前をもっともっとええ女にできる俺であればええ。

夏祭りデートなんて初めてで、
どうしていいか分からなかった。

だけど、彼女が美しかったからそれでいい。

それでいいのだ。



 past    will


sk6 [手紙] [Ai to U]

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