永久という名の瞬間
2004年06月05日(土) 結局、なにもできない。しない

 目の前の彼女に、そして彼に、言いたいことがたくさんある。
 しかし、何から話していいのかわからない。
 だから一人になってから、意味も無い涙を流す。


 パスポートを取れと、母は言う。
 確かにこの歳になって、パスポートも持っていない大学生なんて珍しいだろうな。
 しかし私は常に「明日には死のう」とか思って生きているような人間で。
 さも半年後使う、とか、数年後使う、のような未来を想像させるものとは関わりたくない。
  
 しかもパスポートをとるには写真をとらなくちゃいけない。
 写真をとるのは、私が嫌いな行為の一つ。
 醜いものを映すのは、鏡だけで十分。わざわざ紙に残す必要は無い。
 母は写真だけはとってきなさいと言う。
 私は思う。 私の遺影はどの写真を使うのだろう?って。
 もし今日、写真館で撮ってしまえば、私の遺影は決まってしまう。
 今の私が遺影になるなんて、恐怖じゃない?
 こんな醜い私が・・・
 もう、それだけで気持ちが、萎える。

 梅雨に入った。
 もし明日、私が飛び降りれば。私は地面にめり込んで泥だらけ。泥だらけ。
 汚いものにまみれて。お似合いだこと。
 だけどマンションの最上階に行き、手すりを飛び越えて、下を見下ろすたび、脚がすくむのが現実です。

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photo by 東雲