Desert Beyond
ひさ



 冬は寂寥

今日は快晴の良い天気だった。
空の青が千と千尋のあの空の青みたいだった。
僕はテーブルについて東向きに外の冬を見ていた。
山を見ると竹林になっているところと
そうじゃないところがよくわかる。
木々の紅葉は枯れて落ち着いた赤茶。

ちょっと部屋を片付けてみた。ちょっと。
珈琲飲んだりパソコン使ったりしていると
知らないうちに太陽は西にするすると動いていくのです。

去年の冬は堀込高樹の『Home Ground』と
玉置浩二の『今日という日を歩いていこう(2枚組みライブ)』
を聴いていたので、それらは冬の音になっています。

東の山とマンションは薄く夕陽に照らされて
だんだん照らされる光が弱くなってくる。
世界の色が薄くなってきて
薄い霞がかかったようなモノクロームに近づく。
山のほうはほんとにぼんやりしていた。
部屋の中は寒いので外はもっと寒いだろうと思った。
夕刻あたりの世界は音も抑え気味にまわる。
道路には宅急便の車のハザードランプが
まぶしい黄色で点滅しているのが見えた。

とにかく寂しくて人恋しくなる夕暮れだった。



2006年12月23日(土)
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